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BOKEH ボケの活用(1/2)

今日は被写界深度とボケに関する話題を。
カメラに対して何の予備知識も無い方にも出来るだけ分かりやすいように
解説して行きたいと思います。まずは実際のテクニックの前に、ボケを活用
する為に必要な基本的知識を1つ。
注意:今回の記事は「いつまでもプロトタイプ」さん製作のShortcutsHSを
導入されている環境が前提となりますのでご了承下さい。


今日はBTAさんメイク、きにちみさんがブラッシュアップさせた
「古や谷村(集落)春・冬 その他アイテム」MAPから春バージョン、
そして最近pH板でBTRさんが発表して下さった「ラーメン屋台」をお借り
して説明をさせて頂きます。BTAさん、きにちみさん、そしてBTRさん、
お三方とも良い物を提供して下さり有難う御座いました!


・被写界深度って何?

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_12462807.jpg

写真や映像制作と馴染みのない人にとっては
取っつきにくい印象のある被写界深度ボタン
「何じゃコリャ?」と思った方も多いのでは...?


上の写真、上杉ちゃんが「あちらが、かのきにちみ様自ら植樹された有名な
桜の樹でございます」と案内している様子のスナップショットですが、
知らない人が初めて被写界深度ボタンを押しても「あれっ、何か画面全体が
ピンボケに」ぐらいの印象しか残らないと思います。
公式のマニュアルでも、被写界深度については実にあっさりと「注視点から
離れたものが、ぼかされて表示されるようになります」とだけ書かれています。
うん、簡潔に要点だけを述べ過ぎですねw
しかも写真下側のように、バニラ状態では被写体が注視点(視点移動の際に
画面に出る白いプラスマーク)を外れると、肝心の被写体までボケる仕様に。
もしかすると被写体が注視点を外れてもアジャストする方法があるのかも
知れませんが、私も初めてこのボタンを使った時は「これはアカンやろ」と
思いました。

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_13523079.jpg

上の写真で、赤い矢印の範囲だけモデルにカメラのピントが合うとしましょう。
それ以外はピンボケになるという事ですね。この場合、赤い矢印で示された範囲
がそのカメラの被写界深度になるという事です。
実際のカメラ(ビデオ)では、使用するレンズの焦点距離と絞りの数値によって、
この被写界深度が変化します。一般に焦点距離の長い望遠レンズほど浅い被写体
深度を持ち、逆に広角レンズなどは被写体深度が深くなります。

この被写界深度の浅さを上手く利用する方法が、ポートレイト写真で多用される
ボケです。この単語は日本発祥ですが、既に「Bokeh」と言う言葉として、
映像世界の世界共通語になっている程有名な単語です。
※訂正:正しい表記はBokeではなくBokehだったみたいです

私のヘタクソな写真を例にするより、グーグルで検索した実際のポートレイト写真
(←クリックで別タブ開きます)をご覧下さい。
被写体であるモデルにだけピントが合い、その他は全てピンボケになっている写真が
数多く見受けられると思いますが、これがポートレイトにおけるボケの活用です。
人間はピンボケしている物には視線や注意が向きにくいという性質を利用して、
写真を見る人にモデルだけに注意を向けさせる効果を生じさせているのです。

・まずは実際にいじってみよう

難しい事はさて置きShortcutsHSは導入しているけど、これまで被写界深度なんて
触った事が無いという方は、是非この機会に色々といじって見て下さい。
習うより慣れろ、です。

ShortcutsHSを起動し、エフェクトボタンを押して出て来る別窓にある、
「被写界深度」ボタンをクリックします。
次に「有効/無効」ボタンをFalse(虚偽)、続いて「フォーカス状態の
ビジュアル化」をTure(真実)にしたら、皆さんがピントを合わせたい被写体を、
その下にある「焦点をどこに当てるか」という候補ボタンの中から選びます。
あとは、

・焦点の当たる領域
・絞り

という2つのスライダーを駆使して、対象にだけピントが合って他はピンボケしている
状態を作り出せば良い訳です。

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_14495970.jpg

一旦覚えてしまえば後は簡単
先ほどの写真でピン甘(ピントがピッタリ合っていない状態)に
なっていた上杉ちゃんにしっかりピントが合っています


また、ピントを合わせたい被写体が小さかったり暗かったりで、
画面を目で見ながらピントを合わせずらいような場合には、先ほどの
「フォーカス状態のビジュアル化」ボタンを一旦Falseにして下さい。

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_14580538.jpg

写真のように被写体が小さかったり暗かったりで
目で見てピントが合わせづらい場合...


BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_14594661.jpg

両方をFalseにするとピントが合わせやすくなる場合もあります

こんな風に白黒画面に変わります。画面で黒くなっている部分がピントが
合っている場所、白くなっている部分がピントが外れている場所
です。
この画面で、ピントを合わせたい対象を黒く、ボケさせたいものを白く
見えるように調整すれば良い訳です。(調整後は再びTrueに戻しましょう)

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_15151501.jpg

すると、こんな風にピントが合わせづらい被写体でも簡単にピント合わせが
出来ます


そう言えば、某掲示板でこのBTRさん製作のラーメン屋台を、暗闇の中で
ぼーっと光ってる雰囲気にしたいと書いてる方が居ましたけど、でしたら是非
ShortcutsHSのスポットライト機能を試して見て下さい。

初期メニューの「ライト」から別窓の「追加ライト設定」を選択。
「追加ライトON/OFF」をONにします。この時、その横の「Cube表示」も
ONのままにして置きます。その後ライト種類から「Spot」を選択すると、
画面に青い色のライト位置マーカーが出てきます。マーカーが見えない時は
一旦ShortcutsHSを終了し、画面を引き(遠くから見る状態)すれば見えます。

後はこの青いマーカーを任意の場所に移動・回転させればOKです。
この屋台なら光源は屋台中央部天板にある白熱球ですから

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_15295977.jpg

こんな風に配置して明るさや照射角度を好みに調整した後、Cube表示を
OFFにすれば

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_15315754.jpg

こんな感じでリアルな屋台照明の完成です。
と言ってもこの写真の場合、リアルに再現し過ぎて上杉ちゃんの顔が
見えてませんがw
このスポットライトの設定方法は、他の光源(例えば松明やかがり火など)
にも応用が可能です。


お話を本題の被写界深度に戻しましょう。
こうして非常に便利に見えるShortcutsHSの被写界深度の設定ですが、
実は現状ではちょっと難しい問題も抱えています。本来、モッダーさん達が
苦労してお作りになられた物にとやかく行く権利は無いのですが、
紹介する立場から言えば、良い面だけ紹介するのも公平性・客観性に欠けます。
使用するに当たっての注意点や問題点があるなら、それもちゃんと併記すべき
と思いますので、次回はもう少し突っ込んだShortcutsHSにおける被写界深度
の設定についてお話させて頂きたいと思います。

※今日記事内で使わせて頂いたMAP「古や谷村(集落)春・冬 その他アイテム」
は、pH板の配布物まとめ または きにちみさんのブログ「デジタル芝居」(18禁)
からDLできます。きにちみさん、せっかくのMAPが今回カメオ出演で終わって
しまいましたが、現実世界で桜の咲く頃、あの桜の樹をバックにうちのモデル
で1枚撮らせて頂きたいと思ってますので、今回はご勘弁を...。
またBTRさんのラーメン屋台は現在pH板「SS&雑談スレッド12」の♯159
にて公開されています。
MODの使用に関しては、製作者さんがそれぞれ定めた規約を遵守して頂くよう
お願いします


BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_20592146.jpg

※追記(2017/3/01)Snooleyさんの桜の花びらエフェクトを使って
桜の樹の撮り方の習作です。ウチの地方では桜が咲くまであとひと月です。



※追記(2017/3/27)
ウチの看板娘と桜の樹です。この凛の表情から桜の美しさが伝われば良いなと
思います。

BOKEH ボケの活用(1/2)_e0370811_07582808.jpg

by moriguchi01 | 2017-02-16 16:10 | 撮影テクニック