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Shoulder「肩」で作る拘りのポージング

今日も前回に続いて撮影テク、その中でもキャラのポージングの話題です。
記事が長いので、扉絵は省略させて頂きます。

だいぶ以前の記事になりますが、まだNEOが出ていなかった頃に、
旧スタでのポージングの話題の中で「肩」について少しお話させて頂いた事
がありましたが、皆さん覚えておいででしょうか。
当時のスタジオにはFK操作が無かったので、この肩が作る表情を再現する
のは難しい...というような話でした。

旧スタでは元KKK,TKGで現Λさんも既存のポーズを活かしてこの肩の動きを
再現されていました。その他にも、以前白男川さんが撮られた「イヤリングを
付ける女性」のSSも、首を前に傾けた元のサンプルポーズを非常に上手に
活用していらっしゃいましたね。
初めてあのSSを拝見した時、私は何と巧妙なポージング!と、感嘆の念を
禁じ得ませんでした。

今日の話題、実はNEOが出たらすぐにでもやろう!と思っていた話題だった
のですが、NEO発表後暫くの間、このIK⇔FKの間のやり取りの難しさには、
私自身そして多くのユーザーの皆さんも戸惑っておりました。そういう訳で、
この話題はいずれ時期を見計らって発表しようと先延ばしにしておりました。
パーティー発売からひと月余り経ち、私を含め各ユーザーの皆さんも、
ある程度はこのFK操作に習熟して来たと思います。また、まだ私は試して
いませんが、プラグインの中には「IK&FK」という便利な機能がある物も
出ているとか。なので、今日は満を持して寝かせていたこの話題についての
お話させて頂きたく思います。

今日の記事はタイトルの通り「拘り」です。ブラをしてないオパーイは...の記事
と同じく、キャラのポージングに拘りを求める方の為の参考記事になります。
まずは前回の扉絵SSを別角度から撮った1枚、その「肩」の辺りを、
皆さんもう一度良くご覧下さい。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_02030283.jpg
そうなんです、前回から既に今日の記事の“仕込み”は始めてたのですw

予め「肩」をよ~く見て下さいと言われなければ、もしかしたら気付かない
程度の差かも知れないですが、このポーズはFK操作で両肩を少し上げています。
いわゆる「肩を竦める」動作ですね。外人さんが「さぁ?どうなのかしら」
とか「やれやれ」みたいな時に良くするボディランゲージですよね。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_02113106.jpg
こちらが肩を竦めていないポーズとの比較画像です。それぞれを別に見た時は
気付かなくても、こうして比べて見れば「やれやれ」という仕草により相応しい
のは、肩を竦めた方だと分かると思います。

これは以前記事に書いた事の繰り返しになりますが、実は人間の肩というのは
非常に表情豊かなのです。ですから慣用句の中にも「肩で風を切る」「肩で息をする」
「肩を落とす」「肩ひじ張る」「肩身が狭い」「肩を怒らす」など、肩に関する
ものが沢山あります。これらは人間の本能や感情が「肩」に現れるからこそ生まれた
言葉であると言えます。
ではここからは、実際の肩の動き別に分類して解説をして行きましょう。

・肩を上げる(竦める)感情:おどける・恐れる・驚く等 

肩が上に上がる仕草は最初のSSの様に「さぁ?知らないよ」という様な時の他に、
驚いた時などに顕著に表れます。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_02291527.jpg
両者のSSは、違いがより顕著に皆さんに分かるよう、肩以外の部分も多少
動かしていますが、肩をFKで動かしたポーズの方が、より自然にキャラの
驚きの感情が伝わって来ますね。
肩が上がっていない「驚く」は、どちらかと言えば「驚いて呆然とする」と
いう感じなのに対して、肩が上がった「驚く」には、例えば急に背中に氷を
当てられた時のような、純粋にビックリしている感がありますね。

・肩を狭める 感情:恐怖・警戒・身を守る・嫌悪等 状況:寒い

次は肩を前に寄せて狭める動作です。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_10380424.jpg
代表的な動作の中で、今回は“毛虫を見た女性のオーマイガー!”のような
「嫌悪」の感情を作ってみました。基本的には「驚き」と似たような仕草
なのですが、こちらにはそこに緊張や防衛本能が加わります。
動物の本能として、守勢に回った時は体を小さくするという事です。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_10461356.jpg
またこのように寒い時にも、私たちは肩を狭めますね。それから、女性が誰かに
裸を見られて体を隠すような時も、同じように肩を狭めていると思います。
(実際には狭めるだけでなく、同時に肩を上げている複合型ですが)

このFKによる「肩を狭める」動作ですが、ポージングに際しては1つだけ注意点
がありそうです。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_10504572.jpg
上の写真の様に、素肌が見える服装で肩を狭める(前側に動かす)と、脇の所に
少々目立つラインが形成さえてしまうようです。もし気になるようであれば、
その辺カメラアングルやライティングで上手くカバーする必要がありそうです。

・肩を落とす 感情:失意・疲労・呆然等 状況:暑い・重い

数ある肩の表情で、パッと見て一番分かり易いのが、この肩を下げる動作でしょう。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_11013302.jpg
恐らくこれは写真をご覧になった皆さん誰もが一目瞭然なのではないでしょうか。
今回の検証でも、一番顕著に違いが見えたのが、この「肩を下げる」仕草です。

また暑さに参っている時、そして当然ながら非常に重い物を持ちあげる時にも
人間の肩は自然に下がります。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_11074388.jpg
こちらもこうして比べてみると良く分かりますね。

もう一つ、肩の上下で言えば、どうしても触れて置かなければならないポイント
が1つあります。それはアクション・シーンに於ける肩の位置です。
例えば拳で相手を突くという動作一つでも、武道の流派に拠って細かな違いが
あったりします。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_12214506.jpg
まぁこんな細かい違いの話はさて置き、例えば剣や棒を振り回す動作でも、
人間の肩はシッカリ動いています。

武道では良く「肩を入れる、入れない」という言い方をしますが、これは肩関節
を下して前に出す動作...と考えて頂いて良いでしょう。
シーン全体を写すいわゆる“引き”のショットでは、両者の違いなど見て分る物
ではありませんが、キャラをアップに写した際には、肩が入っているかそれとも
入っていないかで、ポーズの見栄えが変わってきます。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_12291011.jpg
こちらがその比較画像です。決して「肩が入っていないと不自然」という訳では
無いのですが、やはり肩が入っている(前・下方向に動かす)ポーズの方が、
それらしく、そしてカッコ良くみえる気がしますが如何でしょう。
皆さんもアクションシーンでキャラに剣などを振り回すポーズを取らせる時には、
FKを使ってちょっと肩の動きを加えてみるのも面白いのではないでしょうか。

・肩を反らす 感情:威嚇・見くだす・虚勢を張る等

最後は肩を後ろに反らす動作です。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_12500850.jpg
先程の肩を狭めるオーマイガー!は「嫌悪」でしたが、こちらは主に「喜び」や
「驚き」といった感情の発露の際に見られる動きです。
やはり肩が反っている方が、より自然に見えるかと思います。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_12524433.jpg
こんな風に相手を威嚇したり、偉そうにしたりする時も、人間は胸を反らせつつ
同じように肩が後ろに反りますね。

あと、これはオマケの1枚。FKに拠る肩と首の動きを積極的に使うと、

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_13024882.jpg
こんな「首ゴキュ!」の動作もリアルに再現可能です。
(他の動作はオマケのオマケですw)


...と言う訳で、今日は人間の「肩」で表現できる感情に焦点を当てて
お話をさせて頂きました。今後記事にするかどうかは未定ですが、他にも
首や腰、指先などにも人間の感情は顕著に表れたりします。
まぁでもその辺は、読者の皆さんがそれぞれに自分で研究してみる方が、
より楽しいかもです。

Shoulder「肩」で作る拘りのポージング_e0370811_13113528.jpg

これまでキャラのポージングに当たって「肩」という部位について余り意識して
来なかった皆さんの中で、もし今日の記事に興味を持たれた方が居られたなら、
今後は自分の体を動かしてポージングの参考にする時などに、肘や手首だけでなく
自分の肩がどうなっているか?についても、是非注意を払ってみて下さい。
そして、より良いキャラポージングの為のスパイスとして、この肩の動きを取り入れて
みて下されば幸いです。


今日の話題はここまでです。
次回は2~3日後、シーンデータ公開についてのお知らせを予定しています。
それでは皆さん、良いハニセレライフを。


by moriguchi01 | 2017-06-10 13:49 | 撮影テクニック