光源を探す旅に出る 屋外編(2/2)

昨日の
続きです。
今日は屋外(自然界)における光源について考察しながら、
③光の向き やら何やらのお話を。


・日光が来る方向

日光は太陽から来る...のは当たり前なんですが、自然界には太陽から直接届く光
だけでは無く、殆どの場合常に他の光源も同時に存在しています。

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それが反射光です。厳密に言えばこれらは光源とは言えないのですが、太陽や月の
光を反射する事で光の源となってはいるので、ここでは光源と見做してお話をさせて
頂きます。
海や山といった自然の中でも、あるいは都会のビルの谷間でも、およそ自然界では
真っ黒でない物から以外、地面や壁面から常にこの反射光が届いています。
直射日光の当たらない場所の写真では、光源が一体どこから来ているのかが
曖昧になってしまうのも、この反射光が色んな所から被写体に当たっているからです。

ところで赤い色は何故赤く見えるのかと言えば、その物質が太陽光スペクトル(7色)
に含まれる赤い色の波長だけを強く反射するからですね。言い換えれば、赤く見える
物質は赤以外の色(光)を赤よりも多く吸収してるという事です。
吸収しているという事はつまり、鏡や白い色以外の色味のある物に反射した光は、
反射した時点で既に元の直射日光とは違う色に変わっているという事です。

また直射光と反射光では、色合いだけでなく強さも違います。これは主に反射面で
起こる乱反射が原因です。ツルツルした物に反射した光は眩しいけれど、ザラザラした
物に当たった光は柔らかいと言えば分かりやすいでしょうか。
いずれにせよほとんどの物は反射の際にいくらかの割合で光を分散させるので、
一般的に反射光は直射光よりもソフトな光であると言えるでしょう。

もっと感覚的に分かりやすく書くならば、直射光は黄色っぽくてまぶしい、
反射光は白っぽくてソフト。直射光はハッキリと影が出る、
反射光は影がぼやけて薄い。大体そんな感じの違いになります。

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屋外での反射光を意識したライティング例
黄色をやや抑えた光で画面右側の屋外薄曇りの日光が地面から反射して
被写体を照らしているのをイメージしたものです



・ハニスタライトは色も強さも直射日光的

ここでハニスタのライトを思い出して見ると、デフォルト状態の光の色や強さは
太陽からの直射光を再現した物で、ビルの壁に反射した光など、反射光を模した
物では無いと分かると思います。
ビルの谷間のような反射光が溢れる場所を撮った背景写真にキャラを置くと、
そのキャラだけがポツンと浮いて見えてしまうのは、そのキャラに当たっている
光が直射光っぽいスタジオのライトなのに対して、写真の中に写る人や物に当たる光
が反射光という風に、両者に当たっている光の種類が違う事が主な原因です。

このスタジオライト≒直射光というのは現実のスタジオでも同じです。
では実際のスタジオ撮影では、どんな風にして柔らかくて白っぽい反射光を再現して
いるかと言えば、これも良いスタジオならばハニスタと同じような調光ライト、
無ければ赤青緑、三原色の補助ライトを使って色味を調節したりします。
また光量が欲しいけど、被写体に強すぎる影やハイライトが出ては困るという時には、
ライトにパラフィン紙やトレーシングペーパーなどでソフトフィルターを掛けたり、
或いは一旦画材のホワイトボードなどにライトの光を反射させてから被写体に当てたり
しますが、これなどはそのまま自然界の反射光を再現していると考えて良いでしょう。

但し、様々なライトや機材をそろえた撮影スタジオと違い、ハニスタではバニラ環境
であればユーザーが自由に色、強さ、角度を調節できる光はメインライト1本のみ
ですから、どうにかしてこれ1本だけで写真の中の光を再現するしかありません。
本物のスタジオから比べれば随分と貧相ですが、まぁ土台両者を比べる方がおかしい
という話でもあります。

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また仮想空間ならではの不条理も起こります。上の写真のように、
あるオブジェクトに光が当たり、その光がまた別の物に反射する...という
ような事はハニスタでは起こらないようです。もしハニスタで、この三次元
ならば当たり前に起こる現象を再現しようとすれば、赤いライトをそれ用に
1つ別に用意して「反射しているように見せかける」ライティングが必要に
なります。


・ハニスタのライト設定は初心者向け

ここでちょっと余談を。
余程簡素なスタジオでもない限り、撮影スタジオは普通、照明を切れば真っ暗に
出来ます。これは撮影者が文字通りゼロから照明を作り上げる為に必須の条件で、
余計な光が混在しないよう配慮してそう作られているのです。
ところがハニスタでは、メインのライトをゼロにしてもまだ薄明るいままです。
ハニセレはメインライトの他に、実はサブライトというバニラ環境ではユーザー
が調節出来ない光も被写体に当たっています。これは恐らく業界で言う「おさえ
(メインライトの反対方向からライトを当てる事)」の役割をさせている
ライトなんだと思います。あるいはメインライトの直射光に対して、反射光的な
働きをさせる目的で付いているのかも知れません。
が、この通常いじれないサブライトまで自在に操作できる驚異のプラグイン
ShortcutsHSでこのサブライトをカットしても、何とまだハニセレのスタジオは
暗闇にはならないのですよ!
まだどっかにライト隠してるの?

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黒は人物写真では特に「影」の色にも関わって来る大切な色なんです。
丁度、ハニセレ界隈ではすっかり有名人なNockyさんが、ご自身のブログ
「ココロノカケラ」の5日付記事で(そう言えばあれから術後の経過は
如何なんでしょうね。どうぞご無理なさらぬよう)
軍曹殿経由のお話としてハニセレの限界と題する検証記事を書かれて
おられました。
私もアマチュアながら昔写真を愛した者の端くれ。写真で陰影が綺麗に出せない
のは気にかかります。むしろ撮影の上級者であればあるほど余計に気に掛かる
部分がこの影なのではないでしょうか。
記事からすると、プレクラとハニセレでは陰影の設定に何かプログラム上の違いが
あるんでしょうかね。
まぁでもそれとは別に、この真っ暗にならないスタジオ初期設定も何とか
なったらいいなと思います。せめてかろうじてモデルの姿が見えるくらいには
暗くなって欲しい。この謎ライト(?)が常時被写体に当たっているせいで、
モデルの肌に黒くて濃い影が出しにくいのです。
3D技術的な事は何も分からないRatioですが、スタジオ(被写体)をもう少し暗く
出来れば、当然光を当てた際に今より黒く濃い影が自然に出来ると思うんですよね。
で、影の部分が濃ければ、当然明るい肌の部分との間のグラデーションの幅が大きく
なって、モデルの肌が見せてくれる表情がもっと豊かになるんじゃないのかなぁと。
4K肌+4Kモニタ環境なんかでSS撮ってる人からすれば、もっと切実にそう
思うかも。うーん、でも分かりませんw
プログラミングとかさっぱりな素人は余り首を突っ込む話じゃないですね。

とにかくハニセレはゼロからライティングを構築出来ない一般人でも取っつきやすく
撮影の失敗が少ないように設定されている気がします。逆にその分、ゼロから自分で
ライティングを構築したい人からすれば、不満不足を感じる設定になってる感じです。


話を本題に戻しましょう。
要約すると、自然界の光源といえば太陽(月)ですが、その光には直射光と反射光の
2種類があり、それぞれ強さや色に違いがあるという話でした。
この直射光と反射光の比率がどれくらいなのかは、もちろん場所や天気、時間などの
条件に拠ります。
晴天の浜辺や草原など障害物の少ない平坦な場所では、直射光は太陽から、反射光は
地面からという、2種類の非常に単純な構成になりますし、逆にビルが林立する
オフィス街や森、林の中などでは、反射光の割合が増すと言えます。
都会などではこれに加え、様々な角度や色で交じり合う反射光も重なりますので、
その写真にマッチする光の色、強さ、角度を見つけ当てるのがとても難しくなっている
のです。

ただ、前述したハニセレのライトの設定から考えると、晴天で直射光が優勢を占める
浜辺や草原などの開けた場所では、ほぼメインライト1本でカタが付く
と思います。
ですからそういう写真を背景に選び、今回お話した光の色、強さ、方向という3つに
気を配りさえすれば、余り難しく考える必要もなく自然にキャラと写真がフィットして
くれるハズです。
SSに背景写真を使うのが初めてという方は、前回そして今回の内容を参考に、
まずはそういった背景として使いやすい場所の写真から、現実風景を背景にした
SS撮影の挑戦を始められるようお勧めします。


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Commented by Nocky at 2017-02-08 08:54 x
や、いい加減な記事をご紹介頂いて恐縮です。
私は写真をやってなかったので、色々参考にさせて頂いています。

撮影ブースは綺麗にグラデーション出てますね。
うちはReShadeでコントラストを下げているので、綺麗に出ないようですorz。
Commented by moriguchi01 at 2017-02-08 15:35
Nocky様、わざわざお越し頂きまして有難う御座います。
コメントすら残しませんでしたが、結構長い期間Nockyさんのブログのファンやってます。
今日はこうして直接お話しができてうれしい限りです。

ReShade気になります。丁度pH板でCore2さんが某デアゴステーニみたいな豪華保存版的
訂そうでマニュアルを書いてらっしゃいましたね。何であんな凄い物を当たり前のようにポン
と作れるんでしょうか。
名前から察するに影をいじくれるプラグインみたいですが、今は全く知識が無いのでこれから
コツコツ勉強して行きたいと思います。
Commented by フート軍曹 at 2017-02-08 21:06 x
 アイテムにレフ板見つけてテンション上がったのも、今となっては良い思い出です(笑)。スタジオの光は硬かったのだ...。

 目からウロコ、であります。わたくしの言いたい事がまさにこれ。プレクラとハニセレの明確な違いなのです。ライティングをゼロから作れないんですよね。優秀なんですよ、ハニセレは。あまり労せずに自然なライティングができちゃう。ゆえに光を弄る楽しみがない。ぶっちゃけShortcutsHSも、普通に撮るぶんにはライトの数を持て余してしまうんじゃないかなあ。

 レンブラントライティングをこよなく愛するわたくしとしては、やはり陰影の物足りなさを感じます。ゆえにストロボを駆使してポートレイトを撮るなら、断然プレクラですね。逆にハニセレだと自然光に近く、アイテム等の影がキチンと落ちるので、屋外とか風景画向きなのかなあと。そこは流石に最新作だなと、シェーダーの進化に驚きました。

 まさに一長一短ってところでしょうか(笑)。
Commented by moriguchi01 at 2017-02-09 09:47
> フート軍曹殿
小官のブログごときにご足労頂き光栄であります!(`・ω・´)ゞ

レフ板をレフ板として使えないと知った時の絶望感をこうして共有できる方が居られて私も嬉しいですw

>あまり労せずに自然なライティングができちゃう。ゆえに光を弄る楽しみがない。

ハイ、恐らくそうだと思います。恐らくゲームとしては正しい設定なのでしょうけど。何でもやってくれる今時の多機能カメラと、ひと昔前の自分で絞りやら逆光補正やら考えるカメラの違いみたいな。

>ストロボを駆使してポートレイトを撮るなら、断然プレクラ

そんな事まで出来るんですか!?逆光&ストロボでポートレイトとか出来ちゃうんでしょうか。凄いなぁ。プレクラいいなぁ。
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by moriguchi01 | 2017-02-07 17:47 | 撮影テクニック | Trackback | Comments(4)