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見せ方と撮り方

今回は撮影技術と言えるか怪しいので、雑談カテに入れました。

「自分もカッコいい写真や綺麗な写真撮ってみたいけど才能無いしなぁ..」

昔も今も写真の話題になると、そういう風に仰る方を良く目にします。
確かに一流と呼ばれる程の写真を撮れるようになる為には、才能と努力の2つ
が必要でしょう。世の中に写真好きはゴマンと居ますが、写真で飯が食える人
はその内のほんの一握りしか居ません。
けれども人並みにカッコいい写真や、そこそこに綺麗な写真という物ならば、
何も才気あふれる一部の人でなくとも、ちょっとしたコツと練習で、本当に
誰にだって撮れるようになるものです。やる前から諦めない限りは。

斯く言う私も、昔写真の世界のほんの入り口を覗いただけで、自分とプロを
目指す人たちの違い、或いは大勢の人からセンスを評される人との才能の違い
を思い知り、自分が今まで撮ってきた写真がまるでゴミ屑のように思えて、
意気消沈したほろ苦い経験が幾度となくあります。
それでも未だに写真を撮るのも見るのも大好きな事だけは確かです。
そして今は、私のようなごく普通の写真好きの人たちにも、自分と一緒に
なってハニスタを楽しんで貰えるようになれば良いなと思っています。

見せ方と撮り方_e0370811_13554532.jpg

一度で良いから見ているだけで銃声が聞こえて来る気がするような
写真を撮ってみたいものですが、まだまだ全然ですねぇ
それでもやっぱりハニスタは楽しいです
だって現実ではこんな写真ですら、まずもって撮れませんからね



・いわゆる上手い人と普通の人との違いは何なのか

写真が今一つ上手く撮れないと悩む方の多くが、スナップショット(普通撮り)
の域から次のステップへなかなか進めないものだと良く言われたりもしますが、
それは何故でしょうか。素人と上手いと言われる人の写真には、一体どこに
どんな差があるのでしょうね。

もしその違いを簡潔に述べよと言われれば、恐らくそれは技術とセンスの違い。
素人と上手い人が全く同じ一場面を撮っても、上手い人はその場面や情景に
マッチした効果的な見せ方・撮り方が出来る技術があります。またセンスという
点から言えば、上手い人は我々常人とは視点(目の付け所)が違ったりします。
例えば運動会を題材に写真を撮るとしましょう。ここで上手いと言われる人は、
運動会のどの場面をどういう風に写真として切り取れば、人の心に訴える写真
が撮れるのかを感覚的(あるいは論理的に)に理解をしているという事です。

見せ方と撮り方_e0370811_06510968.png

ごく普通の人がごく普通に運動会を撮ると、大抵こういうスナップショット写真の
連発になってしまいます
この写真だと背景の切り取りに失敗しているせいで場所が分かりません
後で見返した時「これ何時の、というか何の写真だっけ?」みたいな話になったりね
もちろん被写体はキチンと可愛く撮れているのですから、そこは失敗じゃありません
ただ普通の人がこういういつもの写真とは違う物を撮りたいと思った時、どうすれば
それっぽい写真を撮れるのか考えてみようというのが今日の話題です


私も含め殆どの人は、何も見る人全てから賞賛されるような写真を撮りたい
などと大それた考えを持っている訳ではないと思います。言うなれば、誰かに
見せた時「おっ?」とか「おぉー」とか、そういう反応をして貰える写真も
撮ってみたいんだよねぇ..という程度のささやかな望みではないでしょうか。
さて、どうしてもスナップショットの域を越えられないとお悩みの方が、
もしこの先、人からそういう反応が返ってくるような写真を撮ってみたいと
お望みであれば、まずは何を(誰を)どう撮りたいのか意識し、その場面に
見合った撮り方を色々と工夫してみるようお勧めします。

先に述べた、上手いと言われる人の技術とセンス。まずその技術面に注目して
作例を撮ってみた場合、例えばこんな感じになるかも知れません。

見せ方と撮り方_e0370811_08405963.jpg

上の写真と全く同じ場所で、今度は視点を横側に移して逆光で撮ってみます。
さっきの正面顔と比べて自然に出来る影が顔に立体感を作っています。
また画面の一部に運動場を写す事で背景情報を組み込みつつ、同時に画面
そのものに多少の奥行き感も与えるようにしてみました。
この辺がいわゆる技術とか知識と言って良い部分だと思います。学んで頭に
入れる事さえ出来れば誰にでも真似できますし、また生まれながら構図感覚
に優れている人ならば、無意識にこういう構図を選べる人も居るでしょう。

また運動会というテーマで、「おっ」とか言って貰えそうな1枚を狙ってみたい
なら、普段のありふれた目線や視点からの写真ではなく、

見せ方と撮り方_e0370811_08454411.jpg

例えばこれぐらい目線や視点を変えてみるのはどうでしょう。
センスがある人なら、私のこんな写真よりもっと鋭く細やかな視線と視点で
運動会の1コマを鮮やかに切り取れる事でしょう。
この辺の場面の切り取り方のセンスは学習で習得できるものではなく、
自分で養い磨くものだと思います。けれど、例えば写真センスのある方の
素晴らしい写真をたくさん観る事などでも自然と養われると思います。
幸いハニセレユーザー界隈には「天才か!?」と声を上げそうになるほど
素晴らしいSSを撮られる方が本当にたくさん居られますので、皆さんも
どんどんそういった方々の写真に触れて頂きたいと思います。

え、何でゴールテープがKEEP OUTなのかって?
それっぽいのがコレしか無かったの...


さて、上手いと言われる人が技術とセンスを活かして写真を撮っているという
話は分かったけど、これでは余りに漠然とし過ぎていて参考にならないですね。
なのでもう少し具体的に、初心者が参考に出来そうなキーポイントを2つ、
ご紹介してみます。


・ 何を(誰を)どう撮りたいか

見せ方と撮り方_e0370811_13241888.jpg

上のSSは前回の記事のSSの習作バージョンです。
どの辺を修正したか、双方を見比べて頂くのも面白いかと思いますが、
このSSはヘリやデザートイーグル(銃)のMODを配布して頂いたモッダーさん
へのお礼ですので、主役は当然ヘリです。
といってただ単にヘリが飛んでいる写真では味気ないので、手持ちのキャラを
ヘリと絡ませて撮ってみました。

見せ方と撮り方_e0370811_13305009.jpg

一方こちらは頂いたヘリを使ってキャラを魅せたいという意図の元に、ほぼ
同じカットをアングルを変えて撮ったSSです。このSSでは主役はキャラです。
極端な話、このSSにおいてはキャラがヘリにぶら下がっていると観る者が
何とか分かればそれで良い訳です。もちろん最も理想はヘリもキャラも両方が
立ってる写真ですが、アマチュアがそこを狙ってもそうそう上手くは撮れない
ものです。
ですから写真の主役は何(誰)かをまずハッキリさせる事はとても大切です。
撮りたい物がハッキリすれば、そうでない物を構図から省くことが出来ます。
必要ない物を構図から消すという事は、すなわち自分が見せたい物だけを
写真を観る者に見せることが出来るという事に他なりません。

これまでとは違う写真が撮ってみたいと思う方の中で、例えば今までは手持ちの
キャラをただ並べて撮っていたという方が居られたなら、今度はその中の一人を
主役、他は脇役(引き立て役)と決めて、主役の一人を目立たせる写真という
のに一度チャレンジしてみては如何でしょうか。
そこに「どう撮れば写真の中でキャラが目立って写るのか」のヒントがきっと
たくさん隠されているハズです。


・キャラの表情ではなく感情を表現する

スナップショットスタイルの写真から一歩進んで、印象的なSSを撮る為には
効果的な見せ方という写真技術も大切ですが、もっと重要で大切なのは被写体の
感情の表現方法
です。
雑誌の表紙を飾るアイドルはいつもニッコリ微笑んでいますが、皆さんはそれを
見て強く感情を揺さぶられた経験はあるでしょうか?恐らく無いと思います。
あの笑顔は別名「グラビアスマイル(多分そんな名前)」といって、口元だけを
笑顔の形にして実は眼は笑っていません。その方が可愛く見えるからですけれども、
人間の心に何かを訴えかけて来るのは、そんな作り笑顔ではなく顔をクシャクシャ
にした心からの笑顔だったりするのです。
人間が心から笑う時、目や口だけでなく本当は肩や腰も一緒に笑っています。
人間が本当に悲しい時、涙や表情だけでなく本当は手も首も一緒に泣いています。
表情と姿勢には関連性があるという事を知るのはとても重要です。

笑顔は確かに女性を可愛く見せますが、女性の可愛さは笑顔だけではないハズです。
怒った顔、拗ねた顔、驚いた顔、そして時には泣き顔ですら可愛く見える事もある
と思います。グラビアスマイルとそれらの違いこそ「リアルな感情」の有無です。
表情や仕草から伝わってくる本物の感情は、頭を素通りして直接人の心に訴えかける
強い何かを持っているものです。

見せ方と撮り方_e0370811_15532046.jpg

被写体が表現する顔の表情ではなく、被写体が全身で表現する感情が伝わる時、
その写真を観る人の心が揺さぶられるのだと私は思います


これまで笑顔の写真はキャラの眼と口を笑わせていただけかも?という方。
それは決して悪い事でも間違った事でもありませんが、今度機会を見て
是非一度皆さんのキャラに全身で強い感情を表現させてみて下さい。
それは笑顔でなくとも、怒りでも悲しみでも喜びでも嫉妬でも真剣な表情でも、
何だって構いません。
それらの感情を顔の表情だけでなく、体の仕草も一緒に使って活き活きと、
そして生々しく表現出来たなら、その時皆さんのキャラは笑顔の張り付いた
一体の人形から、心を持つ一人の人のように変われると思います。

見せ方と撮り方_e0370811_19542276.jpg

それほど劇的なシーンである必要は必ずしもありません
このSSのようにイマイチ上手く行かない事もあるでしょうw
でもそれにめげずに、どんな時、どんな場面で皆さんの心が動いたかを
思い出しながら、それをシーン作りの参考にしてみて下さい



今日もちょっと長くなってしまいましたが、
今日の記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
...それでは皆様、良いハニセレライフを。

by moriguchi01 | 2017-03-11 10:58 | 近況、進捗、発見 等