4月17日 F系(4)決着(続き)
2017年 04月 18日
では1シーン前から決着までの続きをどうぞ。
残念だがその程度の剣速では間に合わぬぞ!
なっ?!細剣の軌道が...急に!
しまっ...!
して...やられたっ!!
────── ─ ──────
...こうして決着は付いた。
そして新たな旅路へと向かおうとするその先で。
行くのか?
あぁ、何しろ私はお尋ね者らしいのでな。
人を害する獣を狩る。
それが竜の呪いを持つ私がこの世に生きる事を許される為の枷なのだから...。
貴様はどうするのだ?追って来るのか。
追うさ。何しろ我は...
そのお尋ね者を追う事をこの世に生きる条件とされているのだからな。
...一つ聞きたい。
お前は何故あの時、我がお前の胴ではなく首を狙うと分かった?
あれは事前に予期して無ければ出来ない芸当だ。
貴様がプロだからだ。
どんな道でも一流の者は、容易に一か八かの賭けに出たりはしない。
いつも冷静で合理的な判断を下す。故に何をするかを読みやすい。
私の技が下段からの振り上げだと思えば、貴様は必ず太いうえに腕や剣に
近い胴ではなく、剣から遠く一撃で切り落としやすい首を狙うと思った。
剣の速さ、正確さに自信があれば尚更だ。
では何故剣の軌道が変わった瞬間、お前の剣先が稲妻のように早くなった?
多分お前の技と同じ原理だ。
あの東国の絶技は、腕を振り回す遠心力に加え手首を返すことで剣先に神速の
太刀筋を得ている。違うか?
だから私もワザとエストックを逆手に持ち、寸前で手首を返して剣速を上げて
みたのだ。順手に持ては横方向への手首の返しだけになる。それでは貴様の剣に
追いつけない。横と同時に前へも剣速を上げたかったのだ。
私は貴様より非力だが、神速の剣とは言え片手剣、両手ならば何とか防げると
思った。...上手く行って良かったよ。
では最初から我の剣を弾く事しか考えていなかったのか?!
そうだ。
いや、待て。上げてみた?思った?
お前あれが初めてやった技だと言うのか?
そうだ。
だが判断を誤れば、今頃お前は首ではなく胴から2つに分かれていたのだぞ?
そうだな。その時は私は死んでいただろうな。
そうだなって、それだけか?
それだけだ。
...何て奴だ。
こうして二人は新たな地へと旅立った。
だが互いを縛る竜の呪い。
それを持つ者に課せられる固い呪縛を振りほどく事は誰にも出来ず、
竜の背に乗る者の影を追うように、あるいは付き従うように、
もう一人の呪われた者もまた、その孤独な背中を追い静かに一人荒野へ
と旅立つのであった...。
─ おしまい。
※追記(2017/4/18)昨晩眠気の中で朦朧として撮ったSSの出来が
やはり微妙だったので、エピローグ部分のSSを撮り直して差し替えました
イヤー疲れた!でも楽しかった!!
今日のSSやシーン撮影の裏話は、次の記事にて改めて。
それでは皆様、良いハニセレライフを。
残念だがその程度の剣速では間に合わぬぞ!
なっ?!細剣の軌道が...急に!
しまっ...!
して...やられたっ!!
────── ─ ──────
...こうして決着は付いた。
そして新たな旅路へと向かおうとするその先で。
行くのか?
あぁ、何しろ私はお尋ね者らしいのでな。
人を害する獣を狩る。
それが竜の呪いを持つ私がこの世に生きる事を許される為の枷なのだから...。
貴様はどうするのだ?追って来るのか。
追うさ。何しろ我は...
そのお尋ね者を追う事をこの世に生きる条件とされているのだからな。
...一つ聞きたい。
お前は何故あの時、我がお前の胴ではなく首を狙うと分かった?
あれは事前に予期して無ければ出来ない芸当だ。
貴様がプロだからだ。
どんな道でも一流の者は、容易に一か八かの賭けに出たりはしない。
いつも冷静で合理的な判断を下す。故に何をするかを読みやすい。
私の技が下段からの振り上げだと思えば、貴様は必ず太いうえに腕や剣に
近い胴ではなく、剣から遠く一撃で切り落としやすい首を狙うと思った。
剣の速さ、正確さに自信があれば尚更だ。
では何故剣の軌道が変わった瞬間、お前の剣先が稲妻のように早くなった?
多分お前の技と同じ原理だ。
あの東国の絶技は、腕を振り回す遠心力に加え手首を返すことで剣先に神速の
太刀筋を得ている。違うか?
だから私もワザとエストックを逆手に持ち、寸前で手首を返して剣速を上げて
みたのだ。順手に持ては横方向への手首の返しだけになる。それでは貴様の剣に
追いつけない。横と同時に前へも剣速を上げたかったのだ。
私は貴様より非力だが、神速の剣とは言え片手剣、両手ならば何とか防げると
思った。...上手く行って良かったよ。
では最初から我の剣を弾く事しか考えていなかったのか?!
そうだ。
いや、待て。上げてみた?思った?
お前あれが初めてやった技だと言うのか?
そうだ。
だが判断を誤れば、今頃お前は首ではなく胴から2つに分かれていたのだぞ?
そうだな。その時は私は死んでいただろうな。
そうだなって、それだけか?
それだけだ。
...何て奴だ。
こうして二人は新たな地へと旅立った。
だが互いを縛る竜の呪い。
それを持つ者に課せられる固い呪縛を振りほどく事は誰にも出来ず、
竜の背に乗る者の影を追うように、あるいは付き従うように、
もう一人の呪われた者もまた、その孤独な背中を追い静かに一人荒野へ
と旅立つのであった...。
─ おしまい。
※追記(2017/4/18)昨晩眠気の中で朦朧として撮ったSSの出来が
やはり微妙だったので、エピローグ部分のSSを撮り直して差し替えました
イヤー疲れた!でも楽しかった!!
今日のSSやシーン撮影の裏話は、次の記事にて改めて。
それでは皆様、良いハニセレライフを。
by moriguchi01
| 2017-04-18 01:59
| SS公開