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6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!

皆さん、今晩は!
まずはpH板1周年、おめでとうございます。二年目の更なる飛躍を心より
お祈りいたします。実母の腰の件もあり、PCの前に座れる時間が減った分を、
目下ブログ更新の方に注いでいる為、思えば随分長いこと板から足が遠のいて
しまっていますが、毎日2回ぐらいは必ず覗かせて頂いております。

さて今日は物凄く久しぶりに、撮影テクの記事を更新しますよ。
今日は私と同じスタジオNEO & ScHS-P という環境の方限定の記事に
なりますが、そろそろありきたりなシチュでの撮影にも飽きて来たかな?
というような、スタジオ撮影中級者の方々にも、多少は楽しんで興味を
持って貰えるかも知れない内容です。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_16274387.jpg
今日の扉絵は、テーマそのままのシルエット写真です
カッコいいのでシルエットにするのが勿体なかったのですが、Core2さんのイージス艦の
デッキを舞台に、軍用飛行機を使わせて頂いております
特に空母は凄いですね!凄すぎて、逆にどう舞台に活かそうか悩みますw

ハニスタの痒い所に手が届くようになる、ご存知いつプロさんの“孫の手”
プラグイン「ShortcutsHS-Party」の登場以降、スタジオで1からライティング
を構築したい、撮影中級者以上のユーザーの念願だった「真っ暗環境」の再現が、
ボタン1つで誰でも簡単に行えるようになった事は、皆さんもう既にご存知かと
思います。
今日の記事はその「真っ暗」を活かして、普段は皆さん殆ど撮らないであろう
シルエット写真と、その応用でエッジライトで人物を浮かび上がらせる写真の
撮り方の解説です。

・最も基本的なシルエット写真

まずは最も手軽なシルエット写真の撮り方から。
非常に簡単ですから図解で説明します。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_13221961.jpg

これで後は、そのライト設定タブの下にある「その他」から「真っ暗にする」
ボタンを押すだけで...

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_13242668.jpg
この通り、簡単に美しいシルエット写真の完成です。
ご覧頂いた通り、撮影自体は非常に簡単です。足元を写さないのであれば、
足場のオブジェ設置も必要ありません。またブルーム&ブラーやビネットなど、
更に色んな画像効果を加えても面白いと思います。
この写真の要所は只一点、如何にこのシルエット写真にピッタリなシチュや
ポーズを見つけるか
という所(アイデア勝負)に掛かっています。
シルエット写真自体は、昔からある超有名な撮影手法の1つです。
もし皆さんが一度撮ってみたい気はするけど、急に良い題材は見つからないなぁ
というのであれば、取り敢えず「シルエット写真」でググって、出て来る画像を
色々と眺めてみましょう。そうすれば、何か良いヒントや閃き、或いは真似して
みたいと思うようなシチュが、きっと1枚ぐらいは見つかると思います。


・撮影中級者以上の方にお勧め「エッジライト」の活用

次はこのシルエット写真の応用編です。
写真撮影の際、被写体の輪郭を際立たせる為に、メインライトの反対側、つまり影
になっている部分の輪郭(フチ)に当てるライトの事を「エッジライト」とか、
或いは「抑え(のライト)」とか呼びます。

皆さんがもしスタジオにカメアシ(カメラ・アシスタント)で行って、カメラマンさんから
「そこ左の肩の辺、抑えて!」とか言われた時、貴方がモデルの左の肩を手で押さえたり
したら、カメラマンから怒りのブロワーとかが飛んできますw (実話)
これは、モデルの左肩辺りに抑えのライトを当てて下さいという意味です。


通常のシルエット写真に、このエッジライトを付け加えると、単純なシルエット写真
より更に印象的な絵柄の写真に仕上げる事も可能になります。

正直申し上げると、上記のシルエット写真に比べ、ここから先の手法は初心者向き
とは言い難いです。ですが、このエッジライトの当て方・使い方を何度か練習すれば、
“真っ暗環境において、キャラにどこからどの程度ライトを当てれば良いか”という事が、
段々感覚として分かって来るハズです。
真っ暗環境下の撮影では、キャラの肌にどの程度光を当てるかで、キャラや写真そのもの
の印象・見え方が通常より更に大きく違って来ます。つまり同じシーン、同じポーズ、
同じ構図でも、見せ方(撮り方)に幅が出来るという事になります。
真っ暗でない通常環境下のライティングをもし「今日はどこからライトを当てようか?」
という事だと言うのであれば、真っ暗環境での撮影は「今日はどこからどれぐらいライト
を当てようか?」なのです。

・チートなライトを使って

まずは下のシルエット写真をご覧下さい。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_19591975.jpg
これも良く見かける、満月を背景にしたシルエット写真ですが、何か見ていて
物足りないという感じがしますね。そこで、このシルエットにエッジライトを
当ててやる事にしましょう。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_19203150.jpg
キャラの輪郭全てにライトを当てる必要はありません
基本的には光源(上のSSなら奥の満月)に近い方をより明るく、遠い方をより
暗く照らす心づもりでライティングを施します
またその際、出来ればキャラの顎(顔の輪郭)や手(ヌードなら胸やお腹)など
にエッジライトを当ててやると効果的です

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_17332801.jpg
実際の配置方法はご覧の通りです。幸いNEOではキャラだけに光を当てられる、
チートなライト設定がありますから、幾らライトを増設してもそれが原因で
周囲が昼間の様に明るくなってしまうというような事は起こりません。
現実の撮影では、アマチュアや駆け出しカメラマンが良くやってしまう失敗の
一つがコレです。(あちこちからライトを当て過ぎて影が無くなる)
NEOのライトならそういう心配は無用ですから、慣れるまでは幾つライトを
使っても大丈夫です。慣れれば慣れる程、少ない数のライトでエッジを出せる
ようになります。

※この追加ライトは、もちろんScHS-Pの追加ライトでもほぼ同じ事が可能です。
ただ実際には1つ1つのライトの強さや方向・位置を何度も微調整する必要があり、
私の印象的にはデフォの追加ライトを使う方が作業がスムーズに行える気がします。


さてライト配置とその調整を何度か繰り返し行って、キャラの輪郭部分に淡く
光る部分が出来上がりました。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_19400970.jpg
一応シルエットだけだった、先の写真と並べて比較してみましょう。
6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_20030399.jpg
ほんの少しキャラの輪郭に淡いライトが当たるだけで、これだけ見た目の印象や
見栄えが変わってきます。どちらも同じシルエット写真という分類ではありますが、
恐らく写真を観た殆どの人が、左側の方がより良いと感じるのではないでしょうか。

このエッジライトの手法、実際には結構面倒な作業を伴います。
ですが、暗闇環境下でのライティング練習には持って来いだと思います。
特にこの作業を通して、追加ライトの強さと範囲設定のノウハウを覚えてしまうと、
他の様々なシチュの撮影においても、追加ライトを使ったキャラへのライティングが
格段に上手く行えるようになります。これは恐らく、キャラが真っ黒なのでライト
設置の効果が目で見て分り易く、どこにライトを設置すればどうキャラが見える
ようになるかが、使っている内に自然に頭に入って来るからだと思います。
ですので、追加ライトを上手く使いこなせる様になりたいという方は、是非一度、
このエッジライティングにチャレンジしてみて頂きたいなと思います。


・暗闇環境下の肌ライティングの心得

さて、ここからは話題を変えて、暗闇環境ではどんな点に気を付けてライティングを
すれば良いのかという話をいたしましょう。
まずは先ほどの写真に、今度はエッジ部分だけでなく周辺部分にもライトを当ててみる
事にします。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_20480433.jpg
これは暗闇環境でしか出来ない黒くて濃い影を残しつつ、肌を綺麗に見せるという点
だけに留意して撮ったSSです。これまでも何度か述べて来ましたが、暗闇環境にする
利点の1つが、キャラ肌に濃い影部分を残せるので、肌上に深いグラデーション
(濃淡の変化)が生まれる
という点です。
つまりもし皆さんが最初から肌に濃い影を残さないライティングをするつもりならば、
わざわざ暗闇にする必要性は薄い
という事ですね。もちろんしてはいけないという訳
では無いですが。
言い方を変えれば、例えほんの一部分であってもキャラ肌に濃い影が欲しい時は、
暗闇にする価値はある、という事でもあります。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_21031993.jpg
因みにこちらは暗闇ONの状態と全く同じライト位置セッテイングで、暗闇をOFFにして
撮った1枚です。余りにも影が無いのでSSAOをやや多めに入れていますが、右側のON
状態と比較すると、通常の状態ではキャラに出来る影ってこんなにも薄いのか!?と、
皆さんも改めて認識できるのではないかと思います。

真っ暗環境のもう一つの利点が、強いコントラストの表現です。

6月6日 エッジやシルエットで人物を撮ってみよう!_e0370811_22533030.jpg
影になっている、キャラ向かって右側の瞳部分にだけ、例のスポット光を緩く当てています

この様に背景でも肌でも何でも、暗さのお陰で反対に明るい部分が非常に映えます。
上のSSで言えば、顔の半分に真っ黒い部分があるからこそ、反対に明るい部分が
映えて見える訳ですね。こういうショットも、通常の環境では影が薄すぎて再現が
出来ない1枚と言えるでしょう。

真っ暗環境は、闇夜や暗がりというシチュに適している事は今更言うまでも
ありませんが、それ以外にも、例えばシリアスな場面、強い感情の発露する場面、
孤独、沈黙、集中、決意といったキャラの心情を表現したい時などに適した設定
であると言えるのではないかと思います。


という事で、今日の記事はここまでです。
それでは皆様、良いハニセレライフをお過ごし下さい。


by moriguchi01 | 2017-06-06 17:52 | 撮影テクニック