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動きのあるショットの練習

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皆さん、お早う御座います。
まず始めにハニセレファンの皆様にお知らせです。
最近色々余り面白くもない出来事が続いた中、大変喜ばしい事件がハニセレ界
に起こりました。何とあの白男川さんが遂にご自身の個人ブログを開設された
そうです。🎊<パカッ オメデトー!!
どういう訳か私のエキブロから、かの地への外部リンクが貼れない状態の為、
やむを得ずブログ内での紹介に留めさせて頂きますが、これからはツイッター
にアクセスしなくても、ふたばちゃんが見られるようになります!




こちらがその新ブログの「S/F」です。何の略でしょうね。普通に考えると
“白男川&ふたば”っぽいですが、もしかすると何か隠された意味も込められて
いるかも知れません。ある程度写真を御存じの方なら、もうこの上のキャラ
画像の醸し出す雰囲気を一目ご覧になられただけで、白男川さんの持つ撮影
技量が並々ならぬ物だと分かると思います。
ブログ内装は白男川さんらしい、シンプル且つスタイリッシュなブログスキン
です。上の画像をクリックして頂ければ、直ぐにブログに飛べますので、
ふたばちゃんファンの方も、そうでない方も、皆さんどうぞご訪問を!


さてでは本題へと行きましょう。
G-1に出品させて頂いたウエイクボードのSSに、思いがけず数多くの方から
お褒めのコメントを頂きました事、純粋に嬉しかったです。コメントを寄せて
頂いた皆様方、有難う御座いました。
ブログ開設以降、特にF系やA系のSSで、数だけは多くのアクションシーン
を撮らせて頂いて来ましたが、私はPENTAXの銀板カメラで本物の写真を撮って
いた頃から、特にそのアクションシーンを専門にしていた訳でも、得意にして
来たという訳でもないのです。ですので、私自身も「アクションを撮る時には
こう撮れ!」というノウハウを、明確に意識出来た上で撮っている訳でも無い
のです。恐らくは写真好きが高じて、これまでたくさんの写真を見てきた中に
あった、過去の素晴らしいアクション写真が、無意識に私の中で写真を撮る為の
栄養・基礎になっているのだと思います。

という事で、今回は普段というか、これまで自分でも余り意識して来なかった、
「アクションシーン撮影の際、自分が無意識に意識している事」を考えながら、
つまり右脳と左脳を使いながら、実際にシーン撮影を実況してみようと思います。
今日の扉絵を見て「あれっ」と思った方も居られると思いますが、あの扉絵の
通り、今日はそのアクションシーンの題材として「卓球」を選択して見ました。

さて、まずはメインの被写体となるキャラにポージングさせる訳ですが、

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このポージングの前段階で留意する点として、①服装②髪型という2点があると
思います。
上の画像、向かって左側はアクションに向かない和装の為に、服装の下半身部分
が完全に破たんしてしまっていますね。また、例えば公式のチャイナドレスなど
には足のヒラヒラ部分にボーンが入っているので動かせますが、中にはスカート
部分にボーンの入っていない物(タイトスカートなど)もあります。
ボーンの無いスカート類は、ポージングで足がスカートを貫通しても一切修正が
出来ませんので、その点は事前に良く確認しておいた方が良いでしょう。
また、同じ事が髪型に関しても言えます。私は服装は事前に考慮しますが、この
髪型のチェックを良く忘れてしまいますw 髪にボーンが入っていないと、例えば
首や頭を動かした際に髪が肩や腕を貫通しますが、これを修正出来ません。
画像向かって左側は、ボーン入りの髪型を活かして髪の毛でキャラの動きを
補足出来ていますが、向かって右側はボーンが無い為それが出来ません。つまり、
全般的に見れば、アクションポーズを取らせるキャラにはボーンの入った髪型の
方がより便利である
と言えるでしょう。


・ポージングに関して考える事

では、このキャラにポージングをします。私は凝ったポージングをする際、大抵
まずはグーグルの画像検索でポージングの参考画像を調べてからポージング作業
に入ります。
写真だけでは分かりにくい肩の動きなどは、実際にそのポーズを真似してみたり
もします。ハニセレをやり始めてから、自室に姿見が欲しくなったラティオですw

動きのあるショットの練習_e0370811_23211533.jpg
今回はメインキャラに、こんなポーズをさせてみました。渾身のスマッシュを
打つ、一瞬前の動作になります。
で、最近の私の場合、まずもうこの段階でアングルをどうするかについて候補を
検討
し始めます。最終的にメインとなる被写体のポーズが決まったのですから、
後はそのメインがカッコ良く、迫力あるアングルを探す事がまず何より第一条件
だからです。
背景や相手の立ち位置をどうするかなども、先にこのメインキャラをどの方向
から撮るかを決めていれば、それを想定しながら配置出来ます。
これは算数の穴あき算と同じです。「こう撮りたい!」という答えを最初から
決めてしまうので、後は間にある物、つまり背景やモブをどうするかなどの問題を、
その答えに合うよう埋めて行けば良い訳です。こうすれば撮影中に「自分が何を
どう撮りたかったか」を忘れたり、見失う心配がありません。

と言う訳で、まだ相手や背景、小道具も何もない状態でキャラの周りをカメラで
グルグル回りながら、迫力があってキャラがカッコ良く見えるアングルを探します。

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今回は上の様な3つのベスト・アングル候補を予めカメラ位置にセーブしました。
この内、候補③はやや特殊なアングルです。NEOのアイテム表示切替機能を
活用して、卓球台を非表示にして初めて撮れるのが③で、本来であればその右側
のように、キャラの上半分が卓球台に隠れてしまいます。
ベストアングルを探す際、このアイテムの表示切替機能を上手く活用すれば、
思わぬ良アングルが見つかる場合もあります。今回はこの③のアングルに於いて
GIMP2のレイヤー加工を使い、卓球台だけを半透明にしてみたらどうか?という、
1つのアイデアが閃いたので、それを試して見る事にしましょう。

さて、ハニセレは言うまでも無く仮想3D空間での撮影です。現実には不可能な
アングルやポージングが可能
です。ついつい既成概念に捕らわれて、有り得ない
角度や動きというアイデアを忘れがちになりますが、ここでは更に新しい構図を
探求して見ましょう。

動きのあるショットの練習_e0370811_01170717.jpg
例えば、こんな風にキャラを空中高くジャンプさせる漫画的な表現はどうでしょうか

先程までの3種のアングルでは、キャラは地面に立っていました。それを今度は
空高くジャンプさせてみます。人間がこんな高さまでジャンプして球を打つ事は
現実では不可能ですが、ハニセレならば可能です。
この状態で、何か良いアングルを取れないか、もう一度検討して見た結果、
新たに2つの構図案が出来ました。

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向かって左側の構図は、後で手前左側に対戦キャラが写る事を想定しています

この2つの構図案は、既に先程の位置からキャラを動かしてしまった後なので、
このままカメラ位置をセーブしてしまうと、先程セーブした物3つが全て無効に
なってしまいます。
なので、このジャンプショット2種は、先程の3種の候補とは別の、新らしい
シーンデータとしてセーブして置きます。


・パースの付与について

ここで迫力あるシーン撮影に欠かせないパース(FoV値調整)について、
一つヒントを書いておきます。以前書きました「パースを活用しましょ・応用編」
でも触れましたが、パースの効果を活かすには画面の奥行きを上手に使う必要が
あります。これを人物で考えると

動きのあるショットの練習_e0370811_01544796.jpg
こんな風に、キャラの手や足、或いは頭などを画面すぐ手前の至近距離に
持ってくるようにフレーミングすると、それほど極端なパース補正を
掛けずとも、人体にも十分にパース効果が得られます。上の図では丁度
矢印の位置でカメラを構える感じで撮れば、パースがより効きやすくなる
という訳です。

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これをもう少し分かり易く説明したのが上の画像です。パースの効きは被写体
の画面に於ける奥行きの量に左右されます。なので、上の画像①と②では、
①の方がよりパースの効果が発揮されやすいという事ですね。

では、撮影に戻りましょう。主人公キャラのポーズと、それを撮影する際の
構図の候補が決まりましたので、その他のパーツを用意します。
今回は練習という事で、背景は場所を体育館にするという事以外、これ以上の
手は加えません。なので、他に用意すべきは対戦相手のキャラのみという事に
なります。

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メインキャラのポーズがスマッシュを打つ前であることから、対戦相手のポーズ
は、そのスマッシュを打ち込む隙を作ったショット、つまりロブ(山なりの緩い
打球)を上げた直後の姿勢という事になります。これも検索した画像をヒントに
作りました。今回の対戦相手キャラは、前回の肝試し篇用に作ったものの、結局
最後まで本編で顔を見せる事が無かった亮介ですw
これも単純に、“主人公が倒すキャラは、屈強そうな奴であればある程、倒す
場面が引き立つ”という理由から選んでいます。

それでは此処から先程セーブしておいたアングルを元に、各アングルで微調整を
行いながら、本格的な撮影に入る事にしましょう。全てのアングル候補の撮影手順
を順を追って説明すると膨大な文章量になりますので、今回は構図案①のみを
詳しく紹介します。


・場面を盛り上げる加工技術を使う

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まず構図①は元々あまり迫力を感じさせるアングルでは無かったので、対戦相手を
加えた全体ショットに変更しました。この画面にはGIMP2のモーションぼかしの内、
「線形」を使い、主人公キャラとボールを少しブレさせてみる事にします。

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ライティング法はいつも通りN式です

天井の照明は、リアルさに拘るならば体育館照明に多用される水銀灯を、
スポット光で複数配置するのが正しいのですが、皆さんご存知の通り、NEOの
点光源ライトはセルフシャドウを入れた状態で複数使うと必ず影が汚くなります。
なので、今回は色味だけ水銀灯に合わせた全体光を使いました。
その他、キャラの向かいと画面外手前側にある窓からも、当然太陽光が入って
来ているハズなので、その辺も考えて環境光を整えます。この環境光で足りない
部分については、必要に応じてポイントライトやスポット光で補う訳です。

動きのあるショットの練習_e0370811_04284718.jpg
アップデート以降、眉毛の調整以外は、全てキャラカス操作画面で出来るので大変便利になりました
眉毛の角度だけは、ScHS-Pのオブジェクト操作で「mayu」と検索して出て来る項目の回転を
弄る必要が有ります

キャラの表情にもひと手間加えて置きます。
この構図案①の様に、顔が小さくしか写らないショットでは不要なのですが、
他のショットで顔が少し大きく写るショットが有りますので、その為にここで
調整を加えて置きます。激しい運動で息も上がっているでしょうから、多少の
発汗を想定して肌のツヤ値上げ(もっと激しい時は汗スキン)と、更に頬赤の
エフェクトも入れて置きましょう。

動きのあるショットの練習_e0370811_04433792.jpg
これが仕上がった画像になります。ボールのブレ方に少し違和感がありますので、
ブレさせるならキャラとは別にブレさせた方が良さそうです。
またキャラのブレも、全体はこんな感じで、更に足だけを大きくブレさせた方が
良いような印象を受けました。ですが、今回は練習ですので此処までです。
このショットで出来なかった事は、次のショットで出来る様になりましょう!

では、こんな感じで残りの構図案もドンドンと仕上げて行きます。

動きのあるショットの練習_e0370811_20143048.jpg
構図案②は、こんな風に微調整後にモーションぼかし「回転」と「線形」を
組み合わせて...

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最終的に、こういうSSに仕上がりました。ラケットを持つ右手は「回転」、
その他の体部分は「線形」のぼかしを使い、その2枚をAQUARIAさん
教えて頂いた“消しゴム殺法”で合成しております。

構図案③は

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天井の照明に電球を追加、またそのままでは少々コントラストが弱い、
顔の部分のライティングに対して、補助のポイントライトを使ってメリハリを
出す事にします。こちらは単純にモーションぼかし「拡大」をボールか顔を
中心にして掛けてみて、良さげな方を採用する事にします。

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結果、採用したのがこの上のSSです。
ちなみに卓球台を半透明にして...と言うのも試しては見ましたが、

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ご覧の様に、大して良い絵面にはならなかったですw

続いて、更にド派手なモーションにした構図案④と⑤です。まず④から。

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最初のアングルに掛けたパースでは、効果が強すぎて手前にキャラが入らない
ので、若干パースを緩めて角度を調整しました。
...ただ、これはこれで悪くない構図だと思うのですが、このアングルならば、
むしろ奥の主人公キャラが打ったスマッシュが、画面手前右隅にバシィッ!と
決まった瞬間の方がよりカッコ良い気がします。なので、これは後ほどポーズを
変更してから撮る事にしましょう。
という事で、先に⑤の完成に入ります。

構図案⑤は、構図としては迫力もあって悪くはないのですが、最初の案のまま
では、足元が写っていない為に、キャラがジャンプしている事が分かりにくい
と思います。連作物で、このショットの前にジャンプするシーンが1枚あれば
難なく状況が伝わりますが、今回は1枚物を想定してますので、大幅にアングル
を修正する必要がありそうです。

動きのあるショットの練習_e0370811_00070755.jpg
という事で、あれこれ考えた挙句、漸く構図が決まりました。
しかし、このショットにピッタリ来るようなモーションぼかしがどれなのか、
今見た感じではパッと思い浮かびません。と言うか、このショットの場合には、
下手にブレを入れるよりも、高速シャッターでピタッと止めたような、激しい
動から一瞬の静を切り取ったような、そんな表現の方が似合いそうです。
成功するかどうかは別として、ここは思い切ってこのショットの演出を大胆に
変えてみる事にしましょう。

漫画的なシーンなので、ライティングをハイコントラストにした上で、白黒画像
風に加工してみます。

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このショットで誤算だったのが、画面奥に見える体育館の窓でした。
この窓を明るくすれば、画面を斜めに白い窓が並びます。それが画面に一層
強いコントラストを生む...ハズだったのですが、このMAPは、窓が透過処理
されてませんでしたw まぁそれが出来ていたとしても、大したショットには
ならなかったでしょうが。

では最後に保留していた構図案④のポージングを変更して、スマッシュが見事
テーブルの隅っこに決まった瞬間に変えてみます。

動きのあるショットの練習_e0370811_03241988.jpg
この卓球台は公式HPから頂いて来た物です
ネット部分はアイテムの「パーテーション」の流用みたいですが、ScHS-Pのオブジェクト操作で
「curtain」で出て来るオブジェクトのシェーダーを「Mobileなんちゃら」とか言うのに変えると、
ご覧の様にイイ感じで透けてくれます


上の画像向かって右側が、新たに作ったポーズによる構図です。
今回は、動きのあるポーズの効果的な撮り方の確認と、その際に使う加工
技術の習熟がメインテーマです。ですので、この最後のショットで出来る
限りGIMP2のモーションぼかし加工を取り入れてみたいと思います。

まず、手前の対戦相手はモーションぼかし「線形」で横ブレ。
次に主人公キャラのラケットを持つ右手だけをモーションぼかし「回転」。
最後にボールは、モーションぼかし「線形」とGIMP2のレイヤー加工に拠る
画像重ねを使い、まるで漫画の表現の様に、ボールがテーブルの隅で跳ね返る
様子が表現出来る様、頑張ってみたいと思います。

動きのあるショットの練習_e0370811_04220600.jpg
今回のアングルでは主人公キャラの表情はそれほど大きく写らないのですが、
それでも一応表情作りはやって置かないと落ち着かない性分です
...しかし、このアングルも悪くないですね、もう今回は撮りませんけどw


と言う訳で、ラティオ史上初めて二桁枚数のレイヤーを使い、何とか完成
しましたのが、下のSSになります。いやー、慣れてないのでしんどかったw

動きのあるショットの練習_e0370811_05393466.jpg
加工のプロから見れば「あ、ここ...。」という風なアラが数多くあるとは
思いますが、初めから完璧に出来るとも思っていません。今回はまずこの辺で
良しとして置きたいなと思います。
(今この瞬間、上のSSはAQUARIAさんの鷹の様な鋭い眼光に晒されている
 ハズです。...AQUARIAさん、なにぶんまだ初心者ですのでお手柔らかにw)

まぁでも一番悲しいのは、レイヤー加工頑張った割には、元々の構図が然程でも
無かったので、完成したSSもまぁ月並み程度の出来だったという事でしょうw


まぁそんな訳で、今回は私がアクションシーンを実際に撮る過程を実況する様な
形でブログ記事を書いてみました。
SSをどう撮るかという技術的な話題の記事も、当然皆さんの参考になるとは
思いますが、こうした「何を考えて撮っているか」という話題も、皆さんの参考
になる部分は有ると思います。今日の記事が皆さんのSS撮影の際の、何か良い
参考になりましたら幸いです。

という訳で、今日の更新は此処までです。
次回はまた5日後ぐらいにお会いしましょう。
それでは皆様、良いハニセレライフを。


by moriguchi01 | 2017-08-27 07:01 | 撮影テクニック