10月4日 R系(無し)コスプレ同好会編⑥ -後半-

お待たせしました。
それではここから、コスプレ同好会編⑥前半からの続き
をお送り致します。どうぞお楽しみ下さいませ。



e0370811_21280429.jpg「こちらです。」
「...なるほど、確かに良い庭園ね。手入れも...そうね、
 見た感じ過不足無く行き届いてる。」
「広いですよねぇ。」
「これだけの庭を維持管理するだけでも、相当な費用
 が掛かるものよ。まぁ早瀬さんの様なお金持ちの家
 の皆さんには、ドンドン稼いでドンドン使って貰う
 事が一番なんだけどね。」「そうなんですか?」
e0370811_02314972.jpg
「個人にとって、お金は所有している事に意味が有る。けれど、          「それではこれより練習試合を開始します。初心者同士の
 社会や経済にとっては、お金は流通している事にこそ意味が            対戦という事で、ルールに関しては柔軟に対応します。
 有るの。謂わば血液と同じ。血は体の中を常に巡るからこそ            読手は私か千草、脇谷君が担当し、ルールの運用や決定
 血足り得る。タンスに仕舞われたお金なんて、社会に於いて            に関しても、その時担当の読手を審判長とします。
 は人体のうっ血と同じだわ。」「はぁ。」                    とにかく皆、くれぐれも怪我だけには注意して楽しんで。
「あそこから庭に下りられそうね。行きましょうか。」               ...じゃあ、始めます!!

e0370811_03440306.jpg
「...で、ココ本当に土足で歩いて良いの?」
「ふふっ、先生でもやっぱり気になるんですね!」

e0370811_04373191.jpg
「いまをはるべと~」                   「あきの..」   
(参ったなぁ、罰ゲームって何だろ? 饅頭10個一気喰い            
 とかなら...いやぁ、ダメだダメだっ!! と言うか、みんな
 競技カルタの実力ってどれ位なの?)
「さくやこのはな~」
( 一番カルタ歴が長いタカミーは、経験者の千草と脇谷君
 以外には左手ハンデが付く。その次に上手いのは千草と
 脇谷君だけど、レベルで言えば一番下のE級で入賞出来るか
 どうかって程度だって言ってたから、まぁ─ )

e0370811_06000166.jpg
(えっ?)
e0370811_08235465.jpg
「..たの~」

e0370811_10430562.jpg「..かりほのいほの~..」

(ウヒョッ! このシャッタースピードで、まだ手先が
 ブレるのかよ。オラ、ワクワクして来たぞっ!! )
e0370811_23075368.jpg
「..とまをあらみ~」                         「..わがころもでは つゆにぬれつつ~」
(ちょ、ちょ、ちょ、ちょっ...!! )                      (有り得ないでしょ!? 何、今の速さ!)

e0370811_00494310.jpg
「ゴメンね、大丈夫だった?」                         「...頑張ってねっ!」「うん!! 」
「平気。アタシの場合、眼は基本カメラにガードされてるし。」          (カルタも人生も同じだ!...自分の取れる札から、
「そ、良かった。(1枚、1枚...!)」                       自分の手に届くものから、)

e0370811_02083717.jpg
(焦らず、慌てず、諦めず、
 着実に手にして行く他は無いんだっ!! )


e0370811_02540903.jpg「本当に良いお庭...。不思議な物ね、ココも都会のビルの中
 も同じ暑さ、同じ夏なのに、こうして広い自然に囲まれて
 居ると、感じ方さえ違う。」
「あっ私達、さっきはあそこに行ったんです。目の前に大きな
 池が有って、鯉じゃなくて河豚が泳いでました!」
「そう...?」
e0370811_03532476.jpg
「うわぁ、ここにもたくさん泳いでる。私、真水に棲む河豚が           「...どう、凛さん? 外に出て自然の景色に触れて、
 居るなんて全然知りませんでした。」                      少しは気分も晴れたかしら。」
「恐らく南米産ね。日本だと冬場の水温が問題になるでしょう           「私は...。」
 けど、まぁココなら温水を循環させるなり何なりで、対処も
 出来るでしょう。」
e0370811_04391726.jpg「これでも結構真剣に教師をやって来たの。さっき貴方が
 どんな事を考えて居たか、どんな事で思い悩んでいたか、
 多少は察する事が出来てよ?」「.......。」
「自分は早瀬さんの様には成れない。早瀬さんの様な才能も
 無ければ、覇気も、真摯さも、全力でぶつかって行ける様
 な目標すら無い。向こうは青春全てを賭けて、悩みながら、
 迷いながらも友人達と共に手を取り合って、前へ前へと
 歩いている。なのに今の自分はどうだろう?彼女も私も、
 同じ高校生なのに。...まぁそんな所かしら?」
e0370811_05495023.jpg
「凄い、先生心が読めるんですか?」                      「夢があって、それに力一杯、自分の体ごとぶつかって
「...貴方って結構天然よね?」「そうなんですか!? 」                行ける勇気がある所が、でしょう?」
「まぁ良いわ。言って置くわ、凜さん。別に早瀬さんと自分を           「そうです。...私は今までもただ流されるみたいに生きて
 比べる必要は無い。使い古された言葉だけど、やっぱり今の            来て、そして多分これからも、それは変わらなくて。」
 貴方に掛けるべき言葉はそれしか無いわ。」                  「心配せずともその内見つかるわよ、貴方にも。夢とか
「私、早瀬さんが羨ましいです。その、彼女の才能とか、努力            人生の目標とか、そういう物がね。」「そうでしょうか。」
 出来る姿勢とか、そういう事もだけど、そうじゃなくて─ 」

e0370811_06292247.jpg「これは本人から、誰かに話しても良いという許可を得て
 話す事だけれど、真山さんは中学時代、周りの男子から
 “男女”と言われ、ずっとからかわれていた。彼女自身も
 自分の女っ気の無さに長い間悩んできたそうよ。けれど
 高校に入り、演劇と出会って彼女は変わった。」
「...そうだったんですか。」
「江崎君だってそうよ?」
e0370811_08391301.jpg
「あの通りの変わり者だから、気味悪がって誰も近づかない。
 いじめられこそしなかったものの、中学ではボッチ飯上等
 の孤高の存在。」「あぁ~。」
e0370811_09181950.jpg
「今でも決して社交的とは言えないけれど、高校に入って
 早瀬さんの付き人の様な事を始めてからは、家督を継ぐ
 という自分の将来の目標も定まったせいか、とても充実
 した毎日だと本人は言っている。周囲の人間達からも、
 “あの”早瀬千草の付き人が務まる人間という事で、今や
 一目置かれる存在になりつつある。」

e0370811_09335239.jpg(ワオッ!江崎君、真山さんの右下段抜いちゃったよ!!
 あぁ見えて結構負けず嫌いだって、前に早瀬さんも
 言ってたし、こりゃ隠れて特訓か何かしてたかっ?)
e0370811_19532637.jpg
「やりたい事やしたい事、夢や目標なんて物は、大抵探して            「貴方の様な人はね、凛さん。早瀬さんや挟上さんの様な人に
 見つかる様な物では無いわ。そういうのは“出会い”なのよ。            ドンドン巻き込まれれば良いのよ。」
 縁と言っても良い。」「...でも。」                      「巻き込まれる?」
「そうね、貴方の言いたい事は分かるわ。早瀬さんの様に、            「そう。事実今日こうしてココに来たのも、貴方自身の欲求で
 人生を能動的に生きる人と、貴方の様に受動的に生きる人             来た訳では無く、誰かに頼まれて来たのでしょう?つまりは
 では、その“出会い”の数も違うでしょう。」                   それが巻き込まれるという事。」「あっ...!」

e0370811_21583722.jpg「世の中不思議なもので、貴方みたいな大人しい人には、
 大抵“人生楽しまなきゃ損!”って感じの知り合いやら
 友人が、一人二人は居るものなんだけど、違う?」
「い、居ます!絵に描いた様な人が!! 」
「でしょ? 活発な人が大人しい人と一緒につるむメリット
 が何なのかは良く分からない。けれど、世の中って何故
 かそういうものなのよ。そういう人達と常に行動を共に
 していれば、貴方にもきっとその内、何かが見つかるわ。
 見知らぬ何かに飛び込んでみる勇気も、そういう人達に
 分けて貰えば良い。」
e0370811_00592591.jpg
「メリット...そう言えば、高宮さんもそんな事を言ってました。
 私にとって何かメリットが有るのなら、手伝って欲しいって。」
「そう? あの娘らしい言い様ね。」

e0370811_02084081.jpg
「高宮さんも優秀な生徒だけど、やはり早瀬さんのそれとは違う。
 彼女の才能は、言うなれば“王佐の才”よ。自分が先頭に立つ事
 は不得手でも、先頭に立つ者の長所・短所を良く見極め、的確
 にサポートする事に長けているわ。」

e0370811_02554307.jpg(スゲェ...。早瀬さん得意の左下段取りを撮るつもりだった
 のにタカミーめ、初心者相手に利き手を使わないハンデを
 捨てた途端に、あっさりと抜いちゃった。皆の表情も真剣
 そのもので、午前中の練習の時とは明らかに一味違う!)
e0370811_05330709.jpg
「ハイハーイ、審判長!」「何ですか、早瀬さん。」               「若いんだから失敗を恐れず、何でもかんでも巻き
「みんなの中で一番カルタ歴の長い高宮さんは、この際全員             込まれちゃいなさい。万が一、それで辛い想いや
 に対して左手でカルタを取るハンデを付けるべきかと!! 」             悲しい経験をしたとしても、それを支えてくれる
「はい、却下。」「えー、何でぇ!? 」                       親友が傍に居るなら尚更よ?」
「カルタ歴が長いと言っても、左手で取る練習を始めたのは            「はい。...私、何かちょっとだけ元気出て来ました。 
 僅か半月前です。その前にまず、競技途中でのルール変更             梅沢先生って原作の先生と同じ様に、凄く頼りに
 は認められません!」「ぶーっ!! 」                       なる先生なん...あっ!
 
e0370811_06325517.jpg「その、すみません!あの、えっと...。」
「何?...あぁそっか。大方早瀬さんか高宮さんに、事前に
 釘でも刺されてたのね? “梅沢先生の前で原作の先生の
 話を出しちゃダメよ!”って。」「あの、はい。」
「良いのよ。私が嫌なのはそれでからかったりされる事で、
 他は別に。寧ろ貴方の様に、あの先生みたいに頼れる!
 とか言われたら嬉しい位よ? 立派な先生だものね。」
「そ、そうなんですか。良かっ...」「ただねっ!」
e0370811_07485161.jpg
「何て言うか、本編では男っ気とか一切無かったじゃない?           (...ショックだったんだ!)
 如何にも“キャリアに生きる女の鑑”みたいな感じだった            「けどまぁ結婚自体はおめでたい事だわよね。でも凛さん 
 のが、イキナリ結婚って、ねぇ?」                      聞きなさい。“桜”の方はアラフォーで見事ゴールイン
(...あれっ、急にやさぐれ出したよ、この人?)                 した訳だけど、私はアラフォーどころか、アラサーまで
「いや、まぁ私はそうでも無かったけど、あの先生みたいに            には絶対結婚するから!見てなさいっ、この世界じゃね、   
 なりたい!とか、先生みたいに生きたい!とか憧れてた人            桜より梅の方が先に花開く事になってるのよ!!」
 には、ちょっとショックだったんじゃないかなぁって。」           (しかも、何か変な所で対抗意識燃やしてるっ!?)

─── ─ ───

e0370811_15010398.jpg「えー、という事で、総当り戦の結果、大木さんと川嶋さん
 の2名が、共に一勝のみの最下位という結果になりました。
 この試合、一番勝ち数の少なかった者が罰ゲームという
 ルールを設けていますので、審判団3名に拠る協議の結果、
 これより2名による順位決定戦を行う事にします。」
e0370811_15504212.jpg「尚、ルールについては両者の実力が伯仲している事に加え、
 予定の時間も押し迫っている事から、最終戦特別ルール
 “空札無しの運命戦”としました。2枚有る内どちらの札が
 読まれるかは、完全に運です。その上で守るか、それとも
 攻めるかを各自が決めて下さい。...OK?」
「えっ、運で勝敗決めちゃうの!? 」
「そうよ。運というのも、競技カルタに絶対必要な物なの。
 分からなければ原作を読破しなさい。」「...くっ!」
e0370811_17074439.jpg
「ヒュー、ヒュー!! 」「頑張れー!」「ファイトよっ!! 」            (う~ん運命戦に拠る決着かぁ。確かに勝負は早いけど、
(くそぅ、こやつら他人事だと思って銘々好き勝手に                普通に考えれば、どちらも囲い手で自陣右下段を守る
 盛り上がりよって...許さんっ!!                         から、絵的には面白みに欠けるかなぁ...。
 応援の方は2対2で同数か。...と言うか、江崎君っ!               まぁこれも仕事だから一応撮るけどね。)
 あなたはどっちの応援なのよ? ハッキリなさいっ!! )

e0370811_18093846.jpg
「悪いわね、私とした事がちょっと取り乱したみたい。」             「とにかく、困った事や悩み事が有るなら、アリサ先生
「はぁ、いえ。」                                でも私でも良い。何時でも遠慮なく頼りなさい。
「そろそろ予定の時間も近い。戻りましょう。」「はい。」             勉強を教えるだけなら機械にだって出来る。私たちが
                                        教師として、人間として貴方達の傍に居るのはね、
                                        かつて貴方達と同じ悩みや苦しみを辿って来た先達と
                                        して、皆を教え導く為よ。分かった?」「...はい。」  

e0370811_20114562.jpg「始めるわ。序歌が終わったら、この2枚の内の
 1枚を詠む。勝負は一瞬よ、気を抜かないで。」
e0370811_20552321.jpg
(ど、ど、ど、どうしたら...!? こういう時のセオリーとか            「さくやこのはな~ ふゆごもり~」
 私まだ何にも教わってないよ!)                       (後はこの目の前の札をブロックして守るか、それとも
「なにわずに~」                             あの自分の右手から一番遠い位置にある相手の札を
(落ち着け、先ずは数学的に考えるんだ。運命戦とはつまり             一か八かで取りに動くかのどちらかしか無い。)
 全てが運に左右されるという事。自分の札が読まれる確率            「いまをはるべと さくやこのはな~」 
 は完全に二分の一だ。)                           (そうっ、どう考えても、守る方が有利!! )
 
e0370811_22105786.jpg
「いまをはるべと」                           (くじ運が悪いって事だっ!!)
(でも、もし全てが運に左右されるなら、私には1つだけ、
 自分で確かに分かっている事がある!)
「さくやこのはな~」
(私は小さい頃から、どうしようも無く─ )

e0370811_22431676.jpg
「し...」                             (動いたっ!)
e0370811_23002744.jpg
「..のぶれど~」
(運命戦で...敵陣右下段抜きに行ったっ!? )


e0370811_23185405.jpg
「いろにでにけり~ わがこひは~」

e0370811_23524936.jpg「ものやおもふと ひとのとふまで~」
e0370811_00114487.jpg「ものやおもふと ひとのとふまで~..」
e0370811_01333152.jpg
「ありがとうございました。」

e0370811_02341034.jpg
(...肩が震えてる。良いシーンのハズなんだけど...               「お二方とも。たった1枚の札の取り合いでしたが、
 撮れねぇよ、こんなの。甘いのかな、甘いんだろうな、             今日一番の名勝負と言える程、鬼気迫る真剣勝負が
 カメラマンとしては。)                           拝見出来ました。次回の本番でもさっきの勝負の様に、
「あり...がとう、...ござい..ました。」                     似てるとかカッコイイとか面白いとか、只それだけ
(でも、ナイス・ファイトだったよ、川嶋さん!)                じゃない、観る人に何か私たちの心が伝わる様な、
                                        そんなコスプレ写真を目指しましょう!」
 
e0370811_03122296.jpg「...でも、その前にっ!」
「げげっ!! 」

e0370811_03451279.jpg「ビリになった川嶋さんには、約束通りこれから罰ゲームを
 受けて貰いまーす!」「くっ!」
「イエーイ!! 」「うおぉーっ!」パチパチパチパチ...
「オイッ貴様ら、さっきの名勝負への拍手より、この罰ゲーム
 への拍手の方が大きいのは、一体どういう事だあぁっ!! 」

「...何か変に盛り上がってるわね?どうしたのかしら。」
「さぁ???」


── 次回、ようやくエピローグw ──


今回の撮影裏話等は、次回に纏めて綴ります。
長い作品を最後まで読んで下さった皆様に、心より御礼
申し上げます。

次回更新は、また一週間後辺りという事で。
それでは皆様、良いハニセレライフをお過ごし下さい。



[PR]
トラックバックURL : https://ratio27.exblog.jp/tb/26088234
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前
URL
削除用パスワード
by moriguchi01 | 2017-10-04 07:01 | SS公開 | Trackback | Comments(0)