HSSNAで始める照明の基本講座 ②
2018年 01月 07日
さてHSSNAで始める照明の基礎講座、今回が第二回目です。
年が明けてから、まだ本腰入れたSSを撮って無いので今回は扉絵
無しでお願いしますw
と言う訳で早速本題。
今日も前説は、ご存知ベータ星人さん達にお願いする事に
致しましょう。
前回の続き:
(う~む、参ったぞ。つまりスタジオNEOは、明るい部屋の中に、
1本だけ自分が自由に使えるライトを持ち込んで撮影する..という
のと余り変わらないって事だ。これでは自分好みのライティングを
ゼロから構築するのは大変だ。)
「んっ、何で急にスポット照明に?..というかこれ、暗く出来ない筈 「フフフ、それは私の仕業ですよ。」
のスタジオが暗くなってないか?」 「何だ?」
「本当ですね。一体何故...?」 「誰かがこの仮想空間にログインして来た様ですな。」
「助けを求める声を聞き付け、今参上したっ!!」 「分からん。だがこの登場の仕方、あの出で立ち。どう見ても
「巨匠のお知り合いか何かで?」 何か正義のヒーロー的な人なんじゃないの?」「しかし...。」
「いや知らん。AIゴンダ君が仕組んだ演出という訳でも無いのだな?」 「では逆に、アレが隣の蕎麦屋から来た出前の兄ちゃんだとしたら、
「勿論です。..一体何者なのでしょう?」 君はそれに納得出来るかね?」「無理です。」「だろう?」
「一旦照明を戻そうか。」 「心配御無用、決して怪しい者ではない。」「いや..あの...」
「巨匠、照明が元のデフォルトライトに戻りました!」 「まぁ待て、AIゴンダ君。言いたい事は多分私も君と同じだが、
(一体誰なのだ?) ここは先ず彼の自己紹介を聞こうではないか。」「はぁ..。」
「私の名前は..うわあっ!!」 「ふむ、宇和さんですか...。割と珍しい苗字ですよね巨匠?」
※スタジオに慣れない内は必ず一回は転びますw 「いや、違うと思うよ? 」
「ん?..エイチ、エス、エス...エヌ、エー?」「何でしょうな?」
「...喋ってないで...タス..ケテ...。」
という事で、今回は先ずキャラの顔の見せ方に重点を置いてお話を
進めて行きたいと思います。日本語の慣用句にも“〇〇は〇〇の顔とも
言うべき~”などという表現がありますね。こと写真においても、この
顔の見せ方というのは写真の印象を大きく左右する最重要ファクタの
内の一つと言えます。他は全部綺麗に撮れているのに、唯一顔の写りが
良くない為に全てが台無しになる..と言う事は実際に起こる事なのです。
...と言っても、ここでは「ポートレイト 撮り方」とググって出て来る
ライティング例を、改めてずらずら羅列して説明する事は致しません。
最低限、知識として知って置いた方が良いと思われる数種類に絞って
置きます。これから写真で飯を食う事を志す様な人を除いて、それらの
ライティング法を全て頭に入れ、いつでも自分で再現出来る様に成る...
趣味としてハニスタを楽しむ事を目的とする一般人にとって、その様な
必要性は極めて薄いと考えるからです。
「どうぞ。」「あ、すいません。助かります。」 「ふふ、そうか。まぁ私程になれば、暗く出来ぬなら出来ぬで
「...つまり君は、その“筆者”とか言う人に頼まれて私をサポートしに どうとでも撮りようはあるのだが、折角の私のファンからの
やって来たという事だな?」 ご厚意だ。ここは素直に受け取って置くとしよう!」
「そうです。自分が直接行ったら記事が書けないからと。」
「そうだ、AIゴンダ君。キミがこのスタジオNEOの専属AIという事は、
真っ暗な状態からのライティング助手の経験はまだ無いのだな?」
「はい、左様で。」「良し、ならばこれからそのレクチャーだ!」
「...分かりました。後学の為にも是非お願い致します。」
さて、そう言う訳で第二回目の今回は、下の様なシーンデータを1枚
用意しました。今日はこのSDのカメラセーブ6しか使いません。
配布するSDには基本中の基本とされるライティング方法の内、三種類の
ライトセッティングを記憶させています。実際に自環境で再現したい方
は、前回同様私のアップロダから各自DLをお願いします。
ではその三種の説明を始めましょう。
①レンブランド
※SDをDLした方は、最初の真っ暗な画面でカメラセーブ6を選択後、
ワークスペース内の「レンブランド」フォルダのライトのみをONに
して下さい。
実際のスタジオ撮影では、メインライトの他に数本の補助ライトを
駆使して見栄え良く仕立てるのが普通だと思いますが、ここでは先ず
メインライト1本のみでライティングしてみましょう。
これは私や、そしてフート軍曹殿も大好きなライティング法です。
被写体の斜め前方、やや上方からライティングすると、上のSSの様に
影側(上の作例ではキャラの右頬・目の下辺り)に、独特の三角形が
形成されますが、これがレンブランド・ライティングの特徴です。
被写体に出来る陰影比は、凡そ明るい部分6に対して影が4といった
感じでしょうか。このレンブランド・ライティングには他にも多くの
派生バリエーションがありますが、基本的には顔を美しく照らしつつ、
同時に立体感もシッカリ感じさせたい様な時に重宝する、バランスの
取れたライティング法です。
②ループ
※先程のレンブラント用ライトをOFFにした後、「ループ」フォルダの
ライトをONにして下さい。
ザックリ言えば、上のレンブランドからもう少し正面より、角度はやや
平行よりの斜め前から照明を当てるライティングです。レンブランドの
親戚みたいなライティング法です。顔のライティング方法の基本にして
王道とも言えるかと。
顔の光と影の陰影比は7:3位に上がります。レンブランドよりも影の
出来る面積は少なくなりますが、全体的に非常に自然で、表情も見易い
上に、顔の立体感も十分に維持出来ているという、非常に汎用性の高い
ライティング法です。
ただ一般的には鼻が作る影が目立つ事が多いので、補助ライトなどで
顔の影を薄める場合が多いと思います。
③スプリット
※同じく一旦「ループ」のライトをOFFした後、「スプリット」の
ライトをONにして下さい。
顔の半分に影を作る撮り方です。シリアスな場面やドラマティックな
シチュエーションが似合う撮り方です。
陰影比が5:5前後になるのは、スプリット(分割)なので当たり前
ですね。この撮り方、余り普段撮りのポートレイトには多用されない
撮り方だと思いますが、それでも覚えて置いて損はない撮り方です。
NEOの全体光は方向だけが重要で、実際にライトを置く位置がどこか
は考慮されませんので参考程度ですが、この三種それぞれのライトの
位置はイメージ的にはこんな感じになってます。
※実はもう一つ、基本と呼ばれるライティングに「バタフライ」と
呼ばれる物が有るのですが、どういう訳かNEOでは影消しが上手く
行かず“なんちゃってバタフライ”みたくなります(レフ板無いせい?)
という事で、もしバタフライについて興味のある方は各自でググって
調べてみて下さい。
「どうかねゴンダ君?」 「実際のスタジオでは、今の様にライト1本だけで撮影する
「そのぅ..私が見慣れていないせいかも知れませんが、正直に感想を 事は稀だ。最低でもレフ板位は用意して、影にカウンター
申し上げると、どの写真も少々影が濃すぎるような気が致します。」 を当てる。まぁ取り敢えず一旦デフォスタジオに戻ろう。」
「うむ、それは正しい意見だ。」「えっ、そうなんですか?」 「承知しました。」
巨匠の言葉通り、ライト1本でしか出せない効果を敢えて狙って撮る
などという時以外、スタジオで人物を撮る時には、大抵補助のライト
やレフ板を使って、被写体の顔や首元に出来る影を薄くするのが普通
です。スタジオNEOではアイテムとしてのレフ板は有りますが、実際
にレフ板として使えるレフ板は無いので使えません。
なので、もし皆さんが「ちょっと影が濃いかなぁ?」と感じたなら、
当然それ以外の方法で適度に影を薄くする必要も出て来ます。
・スタジオNEOで適度な濃さの影を出す方法
①HSSNAの「intensity」の数値で調整する
※SDのIntensityの値は、配布時には0.8に設定されています。
違いが分かり易い様に、値を1.0前後に上げて両者の影の濃さの違い
を確認してみましょう。
ここでは例として「レンブランド」の比較画像を上げて置きます。
第一回で軽く紹介した通り、Intensity値の操作で影色の濃さを手軽に
調整出来ます。
②補助ライトを使う
※SDのIntensityを0.8に戻し、ワークスペース内の「ポイントライト」
を点灯させて下さい。
こちらが本来のやり方に近い方法です。
メインライトの反対側辺りに、セルフシャドゥを切った(影が汚いので
切らざるを得ない)ポイントライトなどを設置し、メインライトの作る
影を薄める方法です。
以上2つが、HSSNAライティングで影を薄くする方法になります。
補足:スプリットに関しては、他と若干異なります。
と言うのも、このスプリットはそもそも濃い影、陰影差が画面にある事
が効果的に作用する撮り方だからです。
他の撮り方のようにポイントライトを当ててしまうと、上の画像の
向かって左側の様に、インパクトや立体感が薄い、面白みに欠ける
中途半端な印象しか与えない絵面になってしまいます。
この様な撮り方が間違いという訳では決してないのですが、スプリット
は向かって右側のショット例の様に、基本的に濃い目の影を使う方が、
より活きるショットであるという点は、シッカリ申し述べて置きたいと
思います。
「その...私がデフォルトスタジオ用のAIだから言う訳では無いのですが、 「もしHSSNAよりもデフォのライトの方が自分の理想に近い
わざわざ影を薄めるなら、何故元々影の薄いデフォルトライトの方を 見え方になるのなら、何も躊躇わずそっちを使えば良いのだ。
使わないのでしょうか?」「うむ、良い質問だ、AIゴンダ君。」 ライティングは算数の“穴あき算”と同じだよ。」「穴あき算?」
これは撮影技術の話と言うよりも、ライティングという物についての
考え方についての話なのですが、良い機会なので書いて置きます。
例えば、答えが10になる計算式を1つ書きなさいと言う問題があった
と仮定しましょう。1+9も正解ですし、5+5もまた正解ですね。
〇〇+〇〇+〇〇=理想のライティング
ライティングとは、最終的に自分が最も良いと感じるライトの当て方を
模索する事で、予め決まっている事と言えば、唯一最後の答え部分だけ
なのです。ライティングする前から「このシチュ、アングルならば、
こういうライトの当て方が合うだろうな」などと結果を予測出来る様に
なる為には、相当の撮影経験を積まなければなりません。なので、それ
以外の人間は、結局色々とやってみる、試して見る中で、その正解へと
辿り着く〇〇が何なのかを探して行くしかないと思います。
ちなみにですが、こちらがAIゴンダ君が話題にした、デフォとポイント
ライトで補助した照明の比較画像です。Intensityを高めに設定すれば、
HSSNAでもデフォとほぼ同じ陰影差は再現出来ますが、それでも背景
の壁面の色や肌の色味、影の濃淡に微妙な差が出ていますね。
この3種のどれか1つだけが正解なのではなく、どれが貴方の理想と
する見え方に一番近いかのを見極める事が重要です。
「...なるほど、ではもう1つ。このIntensity値を上げて影を薄める 「このIntensity値が、画面に写る全ての被写体に影響を及ぼす
手法と、ポイントライトを使って薄める方法の大きな違いは何処に 数値であるのに対し、照射範囲を絞ったポイントライトは、
有るのでしょうか?」「あっ、その解答は是非とも私から。」 当然その灯りが届く所だけに作用します。」「...ふむ。」
この話題、先ずは上の話題で出た2枚を実際に比較してみましょう。
筆者代理アバター君が言った様に、Intensity値を上げて影を薄くした
方はキャラの影だけでなく、それ以外の部分(画像では後ろの柱の色)
も同時に明るくなっていますね。また若干ですが肌の色も白くなって
います。
一方でポイントライトの方は、照射範囲を1.0mと狭く設定している
お蔭で、柱やそこに付けた左手などは、1本だけでライティングした
時の陰影差を維持しています。つまり─
「背景など、特定の部分以外は濃いままの影、陰影差を維持した状態 「それと、HSSNAを単に“真っ暗に出来る道具”としか見ない、
にしたい様な時は、Intensity値を弄るよりもポイントライトに拠る 使わないというのも勿体ない。例えば今、AIゴンダ君や私の
補助の方が良いという事ですな?」「...その通りです!」 左側を常に照らしているこの光。」「あぁ、ハイ。」
「例えば夜とか薄暗い場所では、下手にintensityを上げてしまうと
折角の雰囲気が台無しになってしまう事も有り得るのだよ。」
「この光はちょっと強すぎて、角度に拠ってはスカートを真っ白に 「全体光を1つ設置すれば、邪魔な光の無いデフォライトとほぼ
光らせたりして邪魔になる場合も少なくない。だがこうして先ず 同じ環境が構築出来る。手の込んだライティングは必要ないが、
defaultlightをOFFにしてから...」「はぁ。」 この光が邪魔だと言う時などにとても便利だ。」「なるほど!」
※真上のSSと見え方を比べて見て下さい
「その..巨匠、初歩的な質問で恐縮ですが、そもそも彼、というか 「次回のお楽しみだぁー!! 」
この横からのライトは何の目的で設置されておるのでしょうか?」
「うむ。実はこの横からの光こそ、デフォ環境よりむしろHSSNA
環境で大変重要な役割を担うライトなのだが、その話は─ 」
「...な、何です?」
と言う訳で、今回の更新は此処までです。
ウチの母が罹ったインフルエンザはB型だそうで。
皆さんも風邪や流感にはくれぐれもご注意を。
それでは皆様、良いハニセレライフを。
(...一体、いつになったら撮影始める気なのかしら?)
年が明けてから、まだ本腰入れたSSを撮って無いので今回は扉絵
無しでお願いしますw
と言う訳で早速本題。
今日も前説は、ご存知ベータ星人さん達にお願いする事に
致しましょう。
前回の続き:
(う~む、参ったぞ。つまりスタジオNEOは、明るい部屋の中に、
1本だけ自分が自由に使えるライトを持ち込んで撮影する..という
のと余り変わらないって事だ。これでは自分好みのライティングを
ゼロから構築するのは大変だ。)
「んっ、何で急にスポット照明に?..というかこれ、暗く出来ない筈 「フフフ、それは私の仕業ですよ。」
のスタジオが暗くなってないか?」 「何だ?」
「本当ですね。一体何故...?」 「誰かがこの仮想空間にログインして来た様ですな。」
「助けを求める声を聞き付け、今参上したっ!!」 「分からん。だがこの登場の仕方、あの出で立ち。どう見ても
「巨匠のお知り合いか何かで?」 何か正義のヒーロー的な人なんじゃないの?」「しかし...。」
「いや知らん。AIゴンダ君が仕組んだ演出という訳でも無いのだな?」 「では逆に、アレが隣の蕎麦屋から来た出前の兄ちゃんだとしたら、
「勿論です。..一体何者なのでしょう?」 君はそれに納得出来るかね?」「無理です。」「だろう?」
「一旦照明を戻そうか。」 「心配御無用、決して怪しい者ではない。」「いや..あの...」
「巨匠、照明が元のデフォルトライトに戻りました!」 「まぁ待て、AIゴンダ君。言いたい事は多分私も君と同じだが、
(一体誰なのだ?) ここは先ず彼の自己紹介を聞こうではないか。」「はぁ..。」
「私の名前は..うわあっ!!」 「ふむ、宇和さんですか...。割と珍しい苗字ですよね巨匠?」
※スタジオに慣れない内は必ず一回は転びますw 「いや、違うと思うよ? 」
「ん?..エイチ、エス、エス...エヌ、エー?」「何でしょうな?」
「...喋ってないで...タス..ケテ...。」
という事で、今回は先ずキャラの顔の見せ方に重点を置いてお話を
進めて行きたいと思います。日本語の慣用句にも“〇〇は〇〇の顔とも
言うべき~”などという表現がありますね。こと写真においても、この
顔の見せ方というのは写真の印象を大きく左右する最重要ファクタの
内の一つと言えます。他は全部綺麗に撮れているのに、唯一顔の写りが
良くない為に全てが台無しになる..と言う事は実際に起こる事なのです。
...と言っても、ここでは「ポートレイト 撮り方」とググって出て来る
ライティング例を、改めてずらずら羅列して説明する事は致しません。
最低限、知識として知って置いた方が良いと思われる数種類に絞って
置きます。これから写真で飯を食う事を志す様な人を除いて、それらの
ライティング法を全て頭に入れ、いつでも自分で再現出来る様に成る...
趣味としてハニスタを楽しむ事を目的とする一般人にとって、その様な
必要性は極めて薄いと考えるからです。
「どうぞ。」「あ、すいません。助かります。」 「ふふ、そうか。まぁ私程になれば、暗く出来ぬなら出来ぬで
「...つまり君は、その“筆者”とか言う人に頼まれて私をサポートしに どうとでも撮りようはあるのだが、折角の私のファンからの
やって来たという事だな?」 ご厚意だ。ここは素直に受け取って置くとしよう!」
「そうです。自分が直接行ったら記事が書けないからと。」
「そうだ、AIゴンダ君。キミがこのスタジオNEOの専属AIという事は、
真っ暗な状態からのライティング助手の経験はまだ無いのだな?」
「はい、左様で。」「良し、ならばこれからそのレクチャーだ!」
「...分かりました。後学の為にも是非お願い致します。」
さて、そう言う訳で第二回目の今回は、下の様なシーンデータを1枚
用意しました。今日はこのSDのカメラセーブ6しか使いません。
配布するSDには基本中の基本とされるライティング方法の内、三種類の
ライトセッティングを記憶させています。実際に自環境で再現したい方
は、前回同様私のアップロダから各自DLをお願いします。
ではその三種の説明を始めましょう。
①レンブランド
※SDをDLした方は、最初の真っ暗な画面でカメラセーブ6を選択後、
ワークスペース内の「レンブランド」フォルダのライトのみをONに
して下さい。
実際のスタジオ撮影では、メインライトの他に数本の補助ライトを
駆使して見栄え良く仕立てるのが普通だと思いますが、ここでは先ず
メインライト1本のみでライティングしてみましょう。
これは私や、そしてフート軍曹殿も大好きなライティング法です。
被写体の斜め前方、やや上方からライティングすると、上のSSの様に
影側(上の作例ではキャラの右頬・目の下辺り)に、独特の三角形が
形成されますが、これがレンブランド・ライティングの特徴です。
被写体に出来る陰影比は、凡そ明るい部分6に対して影が4といった
感じでしょうか。このレンブランド・ライティングには他にも多くの
派生バリエーションがありますが、基本的には顔を美しく照らしつつ、
同時に立体感もシッカリ感じさせたい様な時に重宝する、バランスの
取れたライティング法です。
②ループ
※先程のレンブラント用ライトをOFFにした後、「ループ」フォルダの
ライトをONにして下さい。
ザックリ言えば、上のレンブランドからもう少し正面より、角度はやや
平行よりの斜め前から照明を当てるライティングです。レンブランドの
親戚みたいなライティング法です。顔のライティング方法の基本にして
王道とも言えるかと。
顔の光と影の陰影比は7:3位に上がります。レンブランドよりも影の
出来る面積は少なくなりますが、全体的に非常に自然で、表情も見易い
上に、顔の立体感も十分に維持出来ているという、非常に汎用性の高い
ライティング法です。
ただ一般的には鼻が作る影が目立つ事が多いので、補助ライトなどで
顔の影を薄める場合が多いと思います。
③スプリット
※同じく一旦「ループ」のライトをOFFした後、「スプリット」の
ライトをONにして下さい。
顔の半分に影を作る撮り方です。シリアスな場面やドラマティックな
シチュエーションが似合う撮り方です。
陰影比が5:5前後になるのは、スプリット(分割)なので当たり前
ですね。この撮り方、余り普段撮りのポートレイトには多用されない
撮り方だと思いますが、それでも覚えて置いて損はない撮り方です。
NEOの全体光は方向だけが重要で、実際にライトを置く位置がどこか
は考慮されませんので参考程度ですが、この三種それぞれのライトの
位置はイメージ的にはこんな感じになってます。
※実はもう一つ、基本と呼ばれるライティングに「バタフライ」と
呼ばれる物が有るのですが、どういう訳かNEOでは影消しが上手く
行かず“なんちゃってバタフライ”みたくなります(レフ板無いせい?)
という事で、もしバタフライについて興味のある方は各自でググって
調べてみて下さい。
「どうかねゴンダ君?」 「実際のスタジオでは、今の様にライト1本だけで撮影する
「そのぅ..私が見慣れていないせいかも知れませんが、正直に感想を 事は稀だ。最低でもレフ板位は用意して、影にカウンター
申し上げると、どの写真も少々影が濃すぎるような気が致します。」 を当てる。まぁ取り敢えず一旦デフォスタジオに戻ろう。」
「うむ、それは正しい意見だ。」「えっ、そうなんですか?」 「承知しました。」
巨匠の言葉通り、ライト1本でしか出せない効果を敢えて狙って撮る
などという時以外、スタジオで人物を撮る時には、大抵補助のライト
やレフ板を使って、被写体の顔や首元に出来る影を薄くするのが普通
です。スタジオNEOではアイテムとしてのレフ板は有りますが、実際
にレフ板として使えるレフ板は無いので使えません。
なので、もし皆さんが「ちょっと影が濃いかなぁ?」と感じたなら、
当然それ以外の方法で適度に影を薄くする必要も出て来ます。
・スタジオNEOで適度な濃さの影を出す方法
①HSSNAの「intensity」の数値で調整する
※SDのIntensityの値は、配布時には0.8に設定されています。
違いが分かり易い様に、値を1.0前後に上げて両者の影の濃さの違い
を確認してみましょう。
ここでは例として「レンブランド」の比較画像を上げて置きます。
第一回で軽く紹介した通り、Intensity値の操作で影色の濃さを手軽に
調整出来ます。
②補助ライトを使う
※SDのIntensityを0.8に戻し、ワークスペース内の「ポイントライト」
を点灯させて下さい。
こちらが本来のやり方に近い方法です。
メインライトの反対側辺りに、セルフシャドゥを切った(影が汚いので
切らざるを得ない)ポイントライトなどを設置し、メインライトの作る
影を薄める方法です。
以上2つが、HSSNAライティングで影を薄くする方法になります。
補足:スプリットに関しては、他と若干異なります。
と言うのも、このスプリットはそもそも濃い影、陰影差が画面にある事
が効果的に作用する撮り方だからです。
他の撮り方のようにポイントライトを当ててしまうと、上の画像の
向かって左側の様に、インパクトや立体感が薄い、面白みに欠ける
中途半端な印象しか与えない絵面になってしまいます。
この様な撮り方が間違いという訳では決してないのですが、スプリット
は向かって右側のショット例の様に、基本的に濃い目の影を使う方が、
より活きるショットであるという点は、シッカリ申し述べて置きたいと
思います。
「その...私がデフォルトスタジオ用のAIだから言う訳では無いのですが、 「もしHSSNAよりもデフォのライトの方が自分の理想に近い
わざわざ影を薄めるなら、何故元々影の薄いデフォルトライトの方を 見え方になるのなら、何も躊躇わずそっちを使えば良いのだ。
使わないのでしょうか?」「うむ、良い質問だ、AIゴンダ君。」 ライティングは算数の“穴あき算”と同じだよ。」「穴あき算?」
これは撮影技術の話と言うよりも、ライティングという物についての
考え方についての話なのですが、良い機会なので書いて置きます。
例えば、答えが10になる計算式を1つ書きなさいと言う問題があった
と仮定しましょう。1+9も正解ですし、5+5もまた正解ですね。
〇〇+〇〇+〇〇=理想のライティング
ライティングとは、最終的に自分が最も良いと感じるライトの当て方を
模索する事で、予め決まっている事と言えば、唯一最後の答え部分だけ
なのです。ライティングする前から「このシチュ、アングルならば、
こういうライトの当て方が合うだろうな」などと結果を予測出来る様に
なる為には、相当の撮影経験を積まなければなりません。なので、それ
以外の人間は、結局色々とやってみる、試して見る中で、その正解へと
辿り着く〇〇が何なのかを探して行くしかないと思います。
ちなみにですが、こちらがAIゴンダ君が話題にした、デフォとポイント
ライトで補助した照明の比較画像です。Intensityを高めに設定すれば、
HSSNAでもデフォとほぼ同じ陰影差は再現出来ますが、それでも背景
の壁面の色や肌の色味、影の濃淡に微妙な差が出ていますね。
この3種のどれか1つだけが正解なのではなく、どれが貴方の理想と
する見え方に一番近いかのを見極める事が重要です。
「...なるほど、ではもう1つ。このIntensity値を上げて影を薄める 「このIntensity値が、画面に写る全ての被写体に影響を及ぼす
手法と、ポイントライトを使って薄める方法の大きな違いは何処に 数値であるのに対し、照射範囲を絞ったポイントライトは、
有るのでしょうか?」「あっ、その解答は是非とも私から。」 当然その灯りが届く所だけに作用します。」「...ふむ。」
この話題、先ずは上の話題で出た2枚を実際に比較してみましょう。
筆者代理アバター君が言った様に、Intensity値を上げて影を薄くした
方はキャラの影だけでなく、それ以外の部分(画像では後ろの柱の色)
も同時に明るくなっていますね。また若干ですが肌の色も白くなって
います。
一方でポイントライトの方は、照射範囲を1.0mと狭く設定している
お蔭で、柱やそこに付けた左手などは、1本だけでライティングした
時の陰影差を維持しています。つまり─
「背景など、特定の部分以外は濃いままの影、陰影差を維持した状態 「それと、HSSNAを単に“真っ暗に出来る道具”としか見ない、
にしたい様な時は、Intensity値を弄るよりもポイントライトに拠る 使わないというのも勿体ない。例えば今、AIゴンダ君や私の
補助の方が良いという事ですな?」「...その通りです!」 左側を常に照らしているこの光。」「あぁ、ハイ。」
「例えば夜とか薄暗い場所では、下手にintensityを上げてしまうと
折角の雰囲気が台無しになってしまう事も有り得るのだよ。」
「この光はちょっと強すぎて、角度に拠ってはスカートを真っ白に 「全体光を1つ設置すれば、邪魔な光の無いデフォライトとほぼ
光らせたりして邪魔になる場合も少なくない。だがこうして先ず 同じ環境が構築出来る。手の込んだライティングは必要ないが、
defaultlightをOFFにしてから...」「はぁ。」 この光が邪魔だと言う時などにとても便利だ。」「なるほど!」
※真上のSSと見え方を比べて見て下さい
「その..巨匠、初歩的な質問で恐縮ですが、そもそも彼、というか 「次回のお楽しみだぁー!! 」
この横からのライトは何の目的で設置されておるのでしょうか?」
「うむ。実はこの横からの光こそ、デフォ環境よりむしろHSSNA
環境で大変重要な役割を担うライトなのだが、その話は─ 」
「...な、何です?」
と言う訳で、今回の更新は此処までです。
ウチの母が罹ったインフルエンザはB型だそうで。
皆さんも風邪や流感にはくれぐれもご注意を。
それでは皆様、良いハニセレライフを。
(...一体、いつになったら撮影始める気なのかしら?)
by moriguchi01
| 2018-01-07 21:54
| 撮影テクニック