HSSNA照明基本講座⑨ 壁紙から始める環境光

さて今回からは いよいよ被写体そのものに対するライティング
ではなく、その被写体が今居る場所のライティング(環境光)を
作って行く、というテーマに入ります。
今日はちょっと長くなりそうですが、どうぞ最後までお付き合い
下さいませ。

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扉絵は先日ツイッターで公開して、久しぶりにクラスタの皆様から好評を頂いた
(...様な気がする)、窓辺のメイドさんです


..っと、講座の前にぷずに関するニュースを1つ。
新作プレイホームでは、相変わらず公式が全然頼りになりませんが、
一方で前回ご紹介したIBLプラグインを開発されたPlasticmind氏が
pph板に全く新しい凄い髪の毛MODを投下された様です。
どうやらこの新しい髪の毛は...

①IBLで「CharaLight_back」という変則的なライトをOFF
 しても、例の「おもフラ」現象が起きない


 IBL&Cubemap環境下に於いて、このライトの何が一番問題だった
 かと言えば、折角Cubemapが精巧に作り上げた環境光を無視して
 キャラに(恐らく2種類の)ライトを当ててしまうからでした。
 具体的には、先ずキャラの体のエッジ部分に、NEOのデフォライト
 の様な強い光が当たります。ただこれはライトの強さを最弱にする
 事で、ほぼその影響を回避出来ました。それよりもっと大きな問題
 だったのが、髪の毛にも全方位的な光が当たってしまう事でした。
 つまりこれまでのIBLは、唯一髪の毛だけがリアルでない状態の光で
 照らされていた訳です。

②被写界深度を使っても髪の毛の縁がぼやけない

 これはもう読んで字の如くです。これまでの髪はアルファ処理という
 物を施されていないごく一部の髪の毛を除き、その大半が被写界深度
 をONにすると髪の毛の縁がボケてしまいました。まぁそもそもNEO
 にしろぷすにしろ、デフォで付いている被写界深度設定が大雑把な為、
 余り背景ボケを利用する人が少なかったのですが、より本格的な撮影
 を目指す中級者にとっては、これでやっと被写界深度の設定を本気で
 弄ろうかという気も起きて来るという物です。

という事で、緻密で精密な環境光を再現するIBLでなければ、余り気に
ならない部分が、精巧であるが故に逆に却って気になってしまうという
点や、IBLを使う点でネックになっていた部分を修正した今回の試作型、
今後ぷすに広まる事を願いたいですね。

では講座に移りますが、今回はベータさんはお休みです。環境光作りの
良い例題となりそうな壁紙を探すのと、それを使って作例となるSSを
撮影するのに手一杯な状態(撮っても良い例題にならずに、没になる
ショットが結構出ますw)な為に、冒頭に講座のサイドストーリーの方
だけ、チョット進めて置きます。

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─ 現実世界                                 「間違いないっ!...この町、いや近隣の県ですら、バイク乗り  
「むっ!? 後ろから来るバイクは...?」                       ならば知らぬ者は居ないという、伝説の出前ライダー!! 」


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「一度その姿をバックミラーに捉えた出前ライダー達は、             「偶然なのかどうかは分からないが、彼女のバイクのナンバー
 
只一人の例外無く彼女にブチ抜かれ、あの“おかもち”に              がマッハのそれと同じ事から、付いた綽名が“音速の魔女”
 
書かれた屋号を、歯噛みしつつ眺める事になるという..。」              だが彼女の速さに憧れる幾多のライダー達は、尊敬を込めて 
                                           その屋号と共にこう呼ぶ...。」


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「“上海楼の音速お姉さん、川嶋詩乃” とっ!! 」

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(あっ、マズい!坂を登って直ぐの所には、トロトロ低速              「危なっ.. 」
 で走るオバちゃんドライバーの白い車がっ!! )


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「いぃっ!? 」                                  (カミソリみたいに鋭い切り返しの高速スラロームで、
                                        まるで何事も無かったかの様にすり抜けて行ったっ!!)


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「やれやれ。相変わらずあのお嬢ちゃんは、良い子が絶対に            「...んっ!? 電話だ。誰からだろう?」
 真似しちゃイケない運転をする...。」

 

さて、これまでの講座のライティングとはカメラマン(つまり私達)が
被写体を綺麗に・可愛く・美しく・そして格好良く魅せる為、そういう
意思や意図を持って方向や色・強さを決めるライティングの話でした。
ここからはそういった撮る側が自由に設定するライティングとはまた別
のライティングの話になります。

この環境光を作り上げるのに必要な知識としては、先ず前回の予習編で
お話した「直射光」と「反射光」という、二種類の光に対する理解が
必要です。そして環境光はその場所や天候に拠って、直射光の方が優勢
(晴れた日がそう)であったり、反対に反射光が優勢(雨の日がそう)
であったりする...というのも予習編でお話しましたね。
ですが具体的な環境光構築の話に入る前にもう1つだけ、ライティング
初心者の皆さんには知って置いて頂かねばならない知識があります。
それが「線光源」と「点光源」の違いです。
実はこの両者の違いは、既に以前このブログでもご紹介しています。


ですのでこの両者の違いをまだ知らない皆さんは、恐れ入りますが先ず
上の記事(前半のライトの解説のみで結構です)に眼を通して頂きたく
思います。※画像をクリックで別窓が開きます
そんな時間も無いという方は、

①線光源は太陽や月の光。距離に拠って明るさが減衰しないし、また
 影の大きさも変わらない
②点光源は電灯やロウソクなど人工の光。光源からの距離に従って
 明るさが変化し、同時に影の大きさや輪郭も変化する


という事だけ、シッカリと頭に入れておいて頂きたく思います。

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線光源と点光源、視覚的にはこんな差があります。
向かって左が全体光(線光源)で、右側がポイントライト(点光源)。
両者を映画のスクリーンに見立て真っ暗な映画館の中を写してみると、
全体光は座席の左右や奥の壁まで距離に関係なく全ての座席を明るく
照らしますが、一方ポイント光の方は座席の奥や両側に行くに従って
徐々に暗く写っています。
この両者の光の質の違いを理解しなければ、自然でリアルな環境光を
再現する事が難しくなる
のです。


それではここからは一例ずつ、出来るだけ簡単な環境光の再現から
始め、徐々により複雑な環境光の再現へとコマを進めて行く事に致し
ましょう。最初に選ぶ背景は、お馴染みの壁紙画像になります。

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上の写真はこちらのサイトからDLして来たパブリックドメインの写真
になります。ロシアの冬の夜の風景だそうです。
同じ1枚の壁紙写真でも、非常に単純明快な環境光と、そうでない物
があります。最初に選んだこの壁紙写真の環境光はかなり単純ですね。

・この写真の環境光の分析例
 ①位置…最も強い光は上から。地面が雪(白)なので地面からも
  その光が有る程度反射していると思われる
 ②色…ほぼ100%が赤紫
 ③強さ…電灯なので強めの点光源(使えなければ線光源で代用)


私達がそれぞれの壁紙写真に秘められた環境光を設定する際に重要
なのは、常に主光源が何処(位置)にあって、どんな光(色)が、
どれ位の明るさ(強さ)で当たっているかの3つです。
これはこの先どんなに複雑な環境光になっても全て同じです。つまり、
その背景の中で一番影響力の強い光の、位置と色と強さを把握(想定)
する事が大切なのです。

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敢えて撮ってみた“良くない例”の写真2枚と、より自然と思われる環境光
1枚目は背景とキャラに当たっている光の色が違っていますし、2枚目は
色は同じでも地面の下からだけ光が当たっていて方向に誤りがあります


この上の例の様に、背景写真を使うショットでは、その写真に写る
光の色や強さ、そして影の方向などから分析・類推をして、自分で
環境光用の光源を作り出す必要があります。


・何故初心者の方に“N式”を勧めるのか?

さてここ迄の説明で、読者の皆さんの中には1つの疑問を感じる方も
居られるのではないかと思います。
写真の光源は今説明している環境光と、これまで説明して来たカメラ
マンが行うキャラへのライティング、主にこの2種類があります。
(スタジオ以外の場所では、環境光が良好ならば、それがそのまま
その2種類を兼ねる場合もあります)
...で、そもそもこのHSSNAの「Flat」や「Trilight」は、カメラマン
が被写体を魅せる為に当てる後者の、謂わば演出用の光ではなくて、
その背景の中に自然にある光、つまり環境光を再現する為の物では
ないのか?...という事なんですが、皆さん疑問に感じませんでした
でしょうか?

※FlatとTriLightの違いに関しては、コチラの過去記事を参照下さい

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先程のライティングでは、この様に3本の全体光で環境光を再現していました
一番強い光が真上付近、横(斜め上)と下からは極弱いライトで照らしています
FlatのRGBは全て1.00と全開で、要するにFlatライトで色の再現はしていない
という事であり、これがN式の大きな特徴です


平たく言えば、「本来このFlatやTrilightは、N式の様に最初からRGB
三色のライトを全て全開(白色)にしてしまうのではなく、上の写真
で言えばこの三色のライトで、紫色の環境光を作るのが正しい使い方
なのではないのですか?」という事です。
更に言えば、FlatではなくTriLightを使えば、この写真の環境光の特徴
である、「上からの光だけがとりわけ強い」というのも、より正確に
反映出来るはずなのです。

...結論から言えば、それがより正しいと思います。ただ─

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上の写真は、N式に拠らずFlatライトのRGB三色を調整して、N式と
同じように環境光を整えた物です。名前が無いと説明に不便な為、
仮にこの様な方式を「RGB式」と呼称します。
ご覧の様に、RGB式はキャラが真っ黒に写っていますね。Intensity
を上げればキャラが明るく写ってくれますが、それは同時にキャラに
出来る影も薄くしてしまう事は、これまでの講座を読んで来られた方
ならお分かりと思います。
何よりここでIntensity値を上げ下げ出来るのは、背景が写真であって
Intensiy値の影響を受けないからで、これがもしスタジオMAPならば、
背景も一緒に明るくなってしまい、キャラ影が濃く出なくなるだけで
無く、折角の夜の雰囲気が台無しになります。
これは飽く迄も私自身の経験からの話で、間違った認識をしている
可能性も大いにありますが、明るい場面ではそうでも無いですが、
夜や暗がりの場面では、RGB式調光法ではイメージ通りの絵ズラに
するのがN式に比べてやや難しいような印象
があります。

私自身も、これまでN式以外で良いライティング方法が無いものかと
考えて来ました。ですが今の所どれもその方式でなければ出来ない!
これはN式では絶対に真似が出来ない!...という様な事は無いと感じ
ました。(逆に言えば、N式でないと出来ない芸当というのも無い...
って事なんですがw)

前にも申し上げた通り、ライティングは穴あき算であって、結果的に
自分が満足の行く撮影結果が出せるなら、その結果を導き出す方法に
正誤や優劣は存在しません。敢えて言うなら、より手間や時間を掛け
ずに簡単に出来る方法がよいというだけです。
私のこれまでの個人的な経験から申し上げるなら、初心者の方々が
最初に学ぶHSSNAライティング法に、N式ではなく敢えてRGB式を
選ぶ必要性はそれほど高くはないのではないかと考えます。もちろん
選んではいけない、選ぶのが間違いという事では決してありません。
TriLightを使い、RGB式で調光する事でN式より更にリアルな環境光
を再現出来る事は確かにあるでしょうが、その差をまじまじと実感
出来る程感じる場面というのは、私の場合そう多くは出会いません。

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例題写真の仕上がり
まだキャラの顔が暗いですが、これ以上明るくすると赤紫の光だけでは不自然な気が
します(例えば車のヘッドライトなどをデッチ上げて顔を照らす方法とかは有りかも)


沢山例題が有った方が、皆さんも見ていて色んな発見が出来ると思い
ますので、
今回はどんどん例題を上げて行きます。

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これは夜のネオン街の背景写真です。元々ボケて写している、ポート
レイト用に特化した物ですね。
例えばここでモデルを撮る時、周囲からはどんな位置・色・方向の光
が当たっているでしょうか。

・この写真の環境光の分析例
①位置…横や斜め上からのネオンライトが主光源
②色…基本は黄色、後は赤や青など様々
③強さ…画面以外の場所から強い光が当たっていない限りかなり弱い


では、上の様な分析に従ってこの写真の環境光を構築してみます。

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色んな色のネオンの光を表現する為、キャラの左と右、それぞれの肩に違う色の
ライトを当てて、鮮やかなネオン街の雰囲気を出してみようと試みています


肉眼で見る実際の風景は、恐らくもう少し暗いと思いますが、この後
更にキャラにライトを当てる(明るくなる)事を見越して、Intensity
をやや高めに維持させたままにしてあります。

さて、このままではやはりキャラの顔が暗いですね。ここでキャラに
当てる補助のライトについて考えます。この夜シチュならば、どんな
光で補助光を当てればより自然に見えるでしょうか。
先ずは正面から明るいネオンサインの光が当たっているという想定。
次に車のヘッドライトなども自然に見えるでしょう。ここでは夜の写真
撮影の定番「カメラのフラッシュ」を選択して、青白く強い光をキャラ
の顔に当てて光量不足を補いつつ、作品を仕上げる事にします。

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こうして仕上げたのが上の1枚になります。
実際にはストロボライトも点光源なのですが、ご存知の通り現状では
ポイントライトが作る影は汚いという欠点があります。ですが一切影
が出来ないとストロボ光には見えてくれませんので、ここでは止むを
得ず全体光を使って誤魔化しています。


[コラム] 全体光とポイント光の使い分け

さて、解説の冒頭辺りで「線光源と点光源の違いを理解せよ」とか
書いて置きながら、上の2つの例では共に本来は点光源である街灯や
ストロボ光に“ポイントライト”を使わずに、線光源である全体光を
バンバン使ってますねw
勿論、本当はポイントライトを使うのが一番良いのですが、その影の
余りの汚さ故に、使うに使えない事が多々あります。実は同じ点光源
の光でも、線光源で代用して違和感の少ない物とそうでない物2種類
があるのです。
例えば広い場所の天井照明などがその良い例です。


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点光源は光源からの距離に拠って、明るさが急速に減衰する特性があり
ます。つまり点光源は1つだけでは、明るく照らせる部分と照らせない
部分が出やすい照明と言えます。
ですが、その1つの点光源が照らせない部分を、別の点光源ライトが
照らし、そのライトが照らせない所はまた別のライトが...と言う風に
照らして行けば、結果的には全体を照らせる様になりますね。
...全体を照らせる≒線光源という事なのです。

逆に、暗い部屋に裸電球が1個だけという部屋を想定してみましょう。


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こういう環境で点光源(ポイントライト)の替わりに全体光(線光源)
を使うのは、余りお勧め出来ないと言えます。実際にシーンを撮影して
両者の見え方の違いを比べてみましょう。


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3つの画像の真ん中「黙秘」が全体光(線光源)で、「弁護士を」が
ポイントライト(点光源)です。全体を明るく照らしてくれる全体光
の方が見栄えが良いのは確かですが、それゆえに電球から近い場所は
明るく、遠い所は暗くなる点光源らしく見えないので、裸電球1個の
照明の雰囲気は出せていませんね。
この裸電球の例以外でも、例えばライターの炎が出す明かりや、夏の
夜に舞う蛍の光などは、どれも点光源でなければ再現が難しい光です。

実際にこの使い分けをどうするかですが、現状としては先ずは現実と
同じように線は線、点は点の光源に忠実にライティング
をしてみて、
どうしてもポイントライトの作る汚い影が気になる様であれば、適宜
セルフシャドゥを切ったり、或いは全体光で代用する
などしてみて、
よりそれっぽく見えてくれる光源を採用するしかなさそうです。



ドンドン作例を挙げて行きますが、全ての作例に詳しい説明を書いて
行くと長くなりますので、最後の1枚を除き他の作例は軽い説明だけ
に留めて置きます。

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こちらは背景に出来た影の方向を良くご覧下さい。こちら向きに影が
伸びていますね。つまりこの写真では、被写体は必然的に逆光になる
という事です。背後から光を当て、写真と同じ方向にキャラ影を作り、
被写体の顔をこんな感じで暗めに写すと自然に見えます。
背景写真に写る影の方向や長さも、自然な環境光を構築する為の重要
なヒントになるという事が分かると思います。

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この1枚も、環境光としては割と簡単な部類でしょうか。
画像を観察すれば、画面向かって左手側の自然光と頭上からの電灯の
光が環境光のメインになると分かりますね。...えっ、モデルの女の子
は何処にいるのかって? 実はこれ、メインの被写体ではなく、背景に
モブを埋め込んだ作例です。ワザとピントを甘くして撮る事で、写真
の中の人物(真ん中のヒゲ)と写り方を似せてあります。
余談ですが、N式ではこんな風に写真の中にもし人物が写っていれば、
その人物の影と同じ位の濃さをIntensityで決めると、違和感の少ない
写真にしやすいという便利な側面もあります。

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この写真ではコクピットに濃い影が全く出来ていません
つまり直射光は当たっていないという事なので、前・右・左の三方向から
セルフシャドゥを切った全体光を当てて環境光を作っています


こちらは随分以前にツイッターに上げた画像です。一つ上の写真では
モブを紛れ込ませましたが、この写真の様に、更に積極的に背景写真
とキャラを一体化させて撮る事も出来ます。
でも画像とキャラの角度とかを違和感無く合わせる作業が相当に面倒
なので、余りお勧めは出来ないです。

では最後にもう1枚、背景写真で環境光を構築して見ましょう。

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函館の夜景だそうです。綺麗ですね。
この遠景・高さから考えると、恐らくは展望台的な場所から撮った物
でしょうか。この写真もこのまま使うよりも既存のアイテムやMODで
それらしい近景を作った方が見栄えが良さそうですね。

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構図で見えそうな部分だけ展望台を作り、そこに夜景を見下ろす被写体
を一人置いてみました。さて、ではこれまでと同じように、この場所の
環境光がどんな物になるか、画像を頼りに考えてみる事にしましょう。

・この写真の環境光の分析例
①位置…展望台以外は、斜め下方向から街の光が届いているだけ
②色…黄色からオレンジ色っぽい光
③強さ…極弱い


とまぁこんな感じで、この写真のみの環境光ではとてもじゃないですが
被写体を明るく照らす自然な光源は手に入りそうにありません。そこで
作った展望台に明るい街灯が1本あると仮定(アングルには入らない)、
そして、こういう場所ならば安全の為に足元を照らす照明もきっとある
だろうという事で、そういう風に見えなくもない(笑)フットライトを
配置してみました。

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こちらがそれらを考慮に入れた上で構築した環境光です。
今回街灯にScHS-Pの追加ポイントライトを使ってみた所、影の濃さ
を薄くすれば影の汚さが殆ど目立たなくなるので、キチンと点光源に
点光源ライトを使う事が出来ています。
さてこの写真も夜シチュならではの悩み、つまりキャラの顔を明るく
照らす光の確保に難儀します。このままでは余りにキャラの顔が暗く
写り過ぎていて「リアルなスナップ写真」としてならば通用しても、
被写体を“魅せる”事を目的としたポートレイト写真としては、失敗と
言わざるを得ません。

そこで不自然に見えない範囲で「嘘」をつきますw
キャラの正面から当たっている街の明かりがとても明るい...という事
にすれば、自然な環境光の雰囲気を壊さないで顔を明るく照らせます。
では実際にそういう仮定で、環境光を作る際に使ったキャラを正面側
から照らすライトをそのまま強く当ててみましょう。

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これが仕上がりの写真です。
嘘のライトで明るく照らすと言っても“不自然に見えない範囲で”という
縛りがあります。この辺何処まで光を当てるかは、撮影者の好みや感覚
で調整するしかありません。
この1枚は、撮り終った物の色味がイマイチしっくり来なかった為に、
Win10の付属ソフトである「ペイント」でフィルターを掛けて誤魔化
してます。ペイントに付属しているフィルターの内「NEO」や「Arctic」
等は、20~30位プラスする調整で、画像にグッと夜の雰囲気を加えて
くれる便利なフィルターです。皆さんも一度試してみて下さい。


・背景写真で撮る事が、環境光を作る良い勉強になる

と言う訳で、色んな壁紙写真を背景にたくさんの写真を撮りました。
何故この環境光の最初の説明に、背景写真を使った写真を紹介したかと
言えば、表題の通り色々な背景写真からそれぞれの環境光を読み取って
行く事が、非常に良い修練になるからなんです。

壁紙写真の中には、有り得ないほど再現が難しそうに思える写真も数々
あるので、皆さんがパッと見て「あ、この写真ならば、環境光はこれと
これかな?」という感じに想像出来る様な写真を選んで、先ずそこから
撮影に挑戦される事をお勧めします。
忙しくて撮る暇が無いという方なら、壁紙写真を見てその環境光を頭の
中で想像してみる...それだけでも十分に構築力が付くと思いますよ!

そうやって色んな環境光を再現する力が付いて来れば、それがそのまま
この先皆さんがHSSNA式で挑戦するジオラマ撮影、つまり背景も含め、
全てを自分で作る写真を撮る際の、環境光の再現・表現力に即繋がって
行く
のです。自分で背景を作って撮るジオラマ好きな方々は、壁紙画像
には余り興味は湧かないかも知れません。ですがそのジオラマに、より
臨場感やリアル感をもたらす知識や経験を養う為に、この壁紙を使った
写真は最適なのです。是非“環境光”を意識しながら挑戦してみて下さい。


と言う訳で、今回の記事は此処まで。
年初から始まった講座も、予定ではあと2回で終了です。途中、一回程
息抜きの回を入れるかも知れません。今回の記事も最初の方のバイクの
話は私が息抜きの為に撮ったものですw(正直撮りたい物を好きに撮る
方が断然楽なので)

それでは皆様、今週末も良いハニセレライフを。


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by moriguchi01 | 2018-03-09 20:55 | 撮影テクニック