ハニスタで始めるGIMP画像加工①導入編
2018年 06月 07日
※初めに
GIMPの使い方で検索し、ココに辿り着かれた方々の為に冒頭に記載
して置きます。私もGIMPは始めて一年足らずの初心者です。
このブログ内で、驚く様なスゴ技やマル秘テクニックを紹介する事は
一切ありません!
むしろ皆さんと一緒にGIMPの加工法を勉強する場所とご理解下さい。皆様お久し振りです!
年始から始まったライティング講座が一段落し、一時は軽い虚脱状態
にもなりましたが、そろそろブログも通常営業に戻ろうと思った矢先、
残念な事にスタジオで面倒な問題が起こる様になりました。
具体的には“キャラを4人以上出すと、オブジェクトを含め全ての影が
消失してしまう”という問題です。ブログ再開一発目に撮ろうかと画策
していた連作物も、この問題のせいで撮影に着手出来ません。
もちろん再インスコ&不具合の原因特定作業を行えば問題が解消する
可能性もありますが、正直面倒臭いですw ただ今回の不具合の原因は
そもそも私のマシンの非力なグラボが原因である可能性が高いのでは?
と思っております。いずれにせよ、暫くの間このブログに連作物を投稿
するような事は出来そうにありません。
現在使用中のPCはスリムタイプの為、積めるグラボも限られてしまい
ます。少なくとも今よりマトモなグラボを積めるマシンを購入出来る迄、
連作物の撮影は我慢しようかと思っております。出来れば今夏、それが
無理でも、何とか今秋辺りには4Kモニタ共々、少なくともGTX-1000
番台クラスのグラボを積んだ新機を購入出来ればと考えております。
と言った訳で、当分こちらのブログでは、これまでの撮影で私が学んだ
画像の後加工方法を紹介して行く事にしました。
GIMPを使った画像加工法を紹介するHPならば、既にWeb上にゴマン
とある訳ですが、そこは勿論ハニセレなど3Dバーチャルスタジオでの
撮影に使える加工法の紹介に特化した内容にさせて頂こうと思っており
ますし、出来る限り初心者の方にも分かり易いよう(というか私自身が
初心者ですからね)に、詳細に加工手順を書いて行くつもりです。
紹介する手法の中には、これまで記事の中で既に紹介した物と重複する
内容も含まれると思いますが、より詳しく丁寧に「これまで一切GIMPを
触った事が無い人でも、ココの操作手順画像を見ながら作業さえすれば、
同じ加工を再現出来る」を目標にしたいと思います。
...では本編。
初っ端の今回は、このソフトが無いと何も始まらない、兎にも角にも
無料画像加工ソフトGIMPの導入方法からです。
【訂正】(2018.06.16)
熟考の末、
1.加工で多用する予定の一部プラグインがまだ最新版に対応していない
2.旧バージョンならば、私以外のブログでも参考に出来る記事が多い
3.最新版では一部機能の操作方法が変更されている上に、その部分の
日本語化パッチも現段階では整備されていない
上記理由から、現時点では最新Ver.よりも旧版を用いてご紹介する方が、
私自身にも読者の皆様にも、より利便性が高いと判断しました。その為
修正前の記事で最新版をDLされた皆様には大変申し訳ありませんが、
記事内容を「最新版をDLする」から「Ver.2.8.22」をDLする..に変更
させて頂きます。
「GIMP Ver.2.8.22をDLする」
①以下のオフィシャルURLにアクセスします
②下の様な画面が出ますのでオレンジ色のボタンではなく、その下側
にある旧バージョンのDLページを開きます。
③DLしたexe.ファイルを実行すると
上の様なウィンドウが開きますので、ついでにデスクトップ上に
GIMPのショートカットを作成して置きましょう。後で自分で作る
という方は、そのままインストールして下さい。
カスタマイズボタンを押し、何も触らず全て「はい」を選択して
行き、最後に
この画面が出たら、上側のボックスにだけチェックマークを
入れます。
私の説明では良く分からない、或いは導入が全く初めてで不安という
方は、コチラ のサイト様が非常に丁寧に導入手順を紹介されて
おられますので是非そちらも参考にして下さい。
さて次にこの先の加工に必須、或いはお勧めのプラグインをDLし、
それをインポートして行く訳ですが、先ずその前に初期設定では
バラバラの状態で開いてしまうGIMPのウィンドウを1つに統合して
おきます。
取り敢えずデスクトップ上のGIMPショートカットをダブルクリック
してソフトを起動させて下さい。この最初の起動を行っておかないと、
後にプラグインをインポートする為のフォルダも形成されません。
最初の起動には随分時間が掛かると思いますが、二回目からは数秒で
起動しますので安心して下さい。
最初にGIMPを起動させると、恐らくこんな風に合計3つのパーツに
分かれたウィンドウが表示されると思います。
もうこの状態での操作に慣れてしまっているという方以外は、これら
を1つに統合した方が良いと思います。
上の操作でGIMP画面を1枚に出来ました。モニタ全面に画像を映して
作業したい様な時は、このボタンで左右の窓を自由に分離出来ます。
「これだけは必ず導入して下さい!」
さて次にGIMPでハニセレSSを加工するに当たり、絶対に入れて置きたい
というプラグイン(ガジェット)をDLしましょう。この先私の記事に出る
加工でも100%使用する物です。都合2つ紹介しますが、どちらか1つを
導入して頂けば結構です。
【TickyWhiteさん作】GIMP用背景切り取りプラグインV1.1
元々は3Dカスタム少女という別メーカーさんのエロゲ用に作られた物です。
GIMPの画像加工に於いて、面倒かつ難しい画像の切り抜き作業を全自動で
行ってくれる、超絶にスグレモノなスクリプトです。
GIMPで人物など複雑な形を切り抜く際、通常は選択範囲をパス変換して、
更にそこから位置を微調整する...という様な、かなりしんどく根気が要る
作業が必要で、しかもその切り抜いたエッジにも部分的にピクセルの角が
立ってしまったりという事が多々ありました。このスクリプトを使えば、
例えば初心者が1時間掛けて切り抜く作業を僅か数秒で、しかも手動で
切り抜くより美しく切り抜いてくれます。私自身、もしこのスクリプトに
出会わなかったら、絶対に今ほど加工に関心は持てなかっただろうと断言
出来る程に素晴らしい出来栄えなのです。
このスクリプト、元々は雨宮さんがブログで紹介して下さった物でした。
こちらの記事内にも記載あります通り、もしこちらのDLをお望みの方は、
別ゲームのコミュニティーですので、他の参加者様方のご迷惑に成らぬ
様ご配慮の上でご利用をお願いします。
配布場所等も、上記の記事内容を参照してご自分で辿り着いて頂きたいと
思います。
※【訂正】(2018.0616)
・今回初めてGIMPを導入された方へ
今後皆さんが自分でDLしてインポートするプラグインの導入手順を、
詳しく説明します。今回はTickyWhiteさん作の切り抜きプラグインを
例に取ります。
インストール後の最初の起動の際に、GIMPは自動で「Cドライブ」⇒
「ユーザー」⇒「〇〇(各ユーザーの任意の名称)」のフォルダ内に
「.gimp-2.8」という貴方専用のフォルダを生成します。
ここが各ユーザーが自前でインポートする際使用するプラグインの
保管場所になっています。今後皆さんが各種のフォントやプラグイン
等をインポートする場所は此処になりますので覚えて置きましょう。
TickyWhiteさん作の切り抜きプラグインは「スクリプト」ですので、
更にこのフォルダ階層内にある「scripts」というフォルダにDLした
scm.ファイルを放り込んで下さい。
(訂正箇所:以上)
で、このスグレモノ切り抜き機能なんですが、実は雨宮さんが作られた
ハニセレNEO向けプラグイン「PlayShot24ZHNeo」にも、ほぼ同様
の機能が実装されています。こちらは白と黒の背景2種を撮る必要すら
なく、単色背景にして撮るだけで切り抜きをしてくれます。なので現在
どちらも持ってないという方は、コレを導入されれば良いかと思います。
雨宮さんのPlayShot24ZHNeoは、pph板の コチラ のスレッド、
#178にDL場所のリンクがあります。
と言う訳で、両方は不要ですがどちらか一方の切り抜きソフトは必ず
ご用意をお願いします。でないと恐らく画像の切り抜き作業に掛かる
時間と労力のせいで、この先の加工作業が面倒になる可能性が非常に
高くなると思いますw
「モーションぼかし“拡大”で
画面に動きと迫力を出して見よう」
さて、初回は画像加工をする上でどうしても必要となるレイヤー知識
が皆無な人でも簡単に出来る画像加工を一つ。
これまで何度かブログ内でも紹介している手法ですが、ここで改めて
その詳しい加工手順を画像入りで紹介します。
手順には「上手く行かなくてやり直す」という部分も含まれますが、
それもGIMP操作を覚える為の作業の1つと思って、先ずは以下に説明
する手順通り作業を行ってみて下さい。
今回は皆さんお気に入りのキャラでその効果を実際に体験して頂ける
ように、2種類のSDを用意してみました。ライティングにはこれまで
同様にHSSNAを使用していますが、どちらのデータもMODは使って
いません。実際にはここから更にエフェクトMODやプラグインに拠る
表情調整を使い、場面に迫力や緊迫感を上乗せして行く訳なのですが、
今回は敢えてそれらを排してシンプルなシーン造りにしています。
この2つのSDを、何時もの様に何時もの所にあげてあります。
折角の機会ですので皆さん、ご自分のお気に入りキャラに差し替えた
上で、以下の手順を追いながら加工に挑戦してみて下さい。
..では手順の説明です。
手順1.SDをインポートし、上の画像と同じアングルのカメラセーブ
から、皆さんお好きなキャラでSSを撮影して下さい。
手順2.撮影し終えたら、念の為SDをデスクトップなど任意の場所に
コピーします。撮影したSS(スクリーンショット)は、通常
ですとC → illusion → HoneySelect → UserData → cap
のフォルダ内に保管されています
※面倒と感じるかも知れませんが、加工作業時にオリジナルを保存
しておく事はとても重要ですので、皆さんも今後の加工の際には
必ずコピーした物を加工する習慣を付けて下さい!
手順3.コピーした画像をGIMPで開きます。
画像を右クリックして「プログラムから開く」でGIMPを
選択しても良いですし、画像をデスクトップ上のGIMPの
ショートカットにドロップする事でも開く事が出来ます。
手順4.ウィンドウ上に並んでいるメニューバーから「フィルター」
→「ぼかし」→「モーションぼかし(M)」を選択します。
手順5.さて、今回使うモーションぼかしは「拡大」で、これは画像
の任意のポイントを中心に放射状にぶれを作り出す加工です。
今回は上の画像左手の様に、キャラの右拳をその中心に設定
します。
先ずモーションぼかしを選択した際、新たにポップアップした
ウィンドウ内にある項目から「拡大」を選択します。
ぶれの中心にしたい部分、つまり今回ですとキャラの右拳部分
にカーソルを移動させると、上の画像右側の赤丸部分に縦横の
座標も数値で表示されます。今回の私の画像では、横(X軸)も
縦(Y軸)も、共に750ピクセル位置付近に中心を持って来れば
良いと判りますね。
先ずはデフォの数値「5」のまま、どんな具合に仕上がるかを
見てみる事にしましょう。操作ウィンドウにある座標軸入力欄
に750と入力して「OK」を押すと自動的に処理が始まります。
※この750という数値は皆さんのSSの解像度で変わりますのでご注意を。
仕上がり画像を見てみると、まだぶれ幅が小さすぎる様です。
【重要:1】
手順6.作業を一つ前の工程に戻す(アンドゥ)の方法
GIMPにも当然ながらアンドゥ&リドゥの機能があります。
実際、画像加工作業はやっては戻し..という反復・確認作業が
付き物ですので、この方法を覚えるのは必須と言えます。
今回は先ずその内一番手軽な方法を1つ。
上の画像の様にメニューバーの「編集」で一番上にある項目
「〇〇を元に戻す」というのをクリックするだけで、作業を確定
させた一つ前の状態に戻れます。では一旦さっきの加工をナシ
にして作業をやり直してみましょう。
手順7.最適なぶれ値を決めて作業終了
見ての通りモーションぼかしウィンドウには、プレヴュー機能
も付いてはいるんですが、大き過ぎて全体が見えません。結局
は先のアンドゥ機能を使いつつ、一番良さげな数値を自分の眼
で見定める他ありません。今回私は最終的にぶれ数値を「9」に
しましたが、皆さんお好きな値で撮って下さい。
【重要:2】
手順8.加工した画像を保存する
さて、一般的なお手軽画像加工ソフトの場合、加工を終えた
画像を保存する場合には通常「名前を付けて保存」あるいは
「上書き保存」などを使う訳ですが、フリーといえどもGIMPは
かなり本格的な加工ソフトな為、そのままこういった保存方法
を選択してしまうと「.xcf」という特殊な形式で画像保存されて
しまいます。
この形式で保存すれば、引き続きGIMPで加工を継続するのに
便利なのですが、web上に画像を公開する場合は、やはり.png
や.jpeg形式で保存する必要がありますね。
つまりGIMPで「名前を付けて保存」を選択するのは、加工作業
を途中でストップする(後で再開する)時だけ、と言えるかも
知れません。
GIMPで加工した画像をpngやjpegで保存する場合、基本的には
上の画像にある「名前を付けてエクスポート」を使います。
これで保存は完了です。
オマケですが、下は加工が終了してGIMPを閉じる際に出る表示に
ついての説明です
では、上と同じ要領でもう一枚の画像にもモーションぼかし拡大を
適用してみましょう。ただ、全く同じ加工を繰り返しても詰まらない
ですから、ちょっとだけ設定を変えて撮ってみましょう。
手順1.先程と同じ要領で画像を開き、モーションぼかし拡大で
中心位置を入力します。
さて、1枚目の画像はキャラの拳が画面奥側からこちら側に
向かって伸びて来る...というシーンでしたね。この2枚目は
それとは反対にキャラの拳が画面奥側へと伸びています。
実はモーションぼかし拡大は、ボタン一つでブレの方向を
中心から周囲、或いは周囲から中心、とその向きを変える事
が出来ます。デフォルトでは向きが“中心から周囲”に設定
されていますので、今回は向きを逆にしてみましょう。
上の画像右手側の様に、「拡大側にぼかす」に付いている
チェックマークをクリックして外します。これでぶれの向き
が逆になりました。謂うなれば「モーションぼかし収縮」に
変わったという訳ですね。
最終的には見栄えで選べば良いですが、一枚目の様に何かが
画面の奥側からこちらに向かってくる動きの時はデフォルト
(中心から周囲へ)、逆に何かが画面手前側から奥へと動く時
にはチェックを外して周囲から中心へというぶれの向きにする
のが、最も動きに則したぶれ方と言えるでしょう。
ではブレの大きさはどうすべきでしょうか?
1枚目の様に、拡大するぶれの中心とキャラの顔位置が大きく
離れている場合、余りにもぶれを大きくし過ぎると、キャラの顔
が全く見えなくなってしまいます。
1枚目でぶれ幅を30まで上げて撮った例。上杉ちゃんの顔が
ぶれぶれになってしまいました。勿論、例えば連作物でこの
ショットの前にキャラ顔が見る者に分かる1枚があれば、
これ位ぶれていても余り問題はありませんが、これ1枚だけ
の時には、やはりこれはやり過ぎにという事になりますね。
とまぁ結局はケースバイケースなのですが、基本的にキャラ
顔はぶれていてもギリギリ表情が分かる程度に抑える..という
のが基本と言えるのではないでしょうか。
逆に今撮影中の2枚目は、ぶれの中心とキャラ(シトリーさん)
顔の位置が非常に近いですね。これぐらい近ければかなり大胆
にぶれの数値を大きくする事が出来ます。それではこの2枚目
は、ぶれ数値を30まで上げて撮ってみましょう。
これが完成画像になります。ぶれ30でも十分にキャラ顔を判別
する事が出来ますね。ついでに先程話題に出た、ぶれの方向の
比較画像も下に披露して置きましょう。
ご覧の様に、ぶれの方向如何で見栄えが大きく変わる事は無い
のですが、画面上のシトリーさんの大きさ(写り方)がかなり
変わっていますね。ぶれの方向を選ぶ際には、この辺を参考に
どちらが良いかを選べば良いのではないでしょうか。
それでは最後に2枚のSDを加工前と加工後とで比較して、
この「モーションぼかし拡大」で写真の見栄え、受ける印象がどれだけ
違うかを見比べてみる事にしましょう。
・1枚目
・2枚目
如何だったでしょう。
モーションぼかし拡大は、画面手前から奥へ、或いは奥から手前へと
何かが勢いよく移動している動きを強調する表現にピッタリな加工だと
思います。もし今後皆さんが撮るシーンのなかに、こんな場面があった
なら、是非一度このGIMP加工を試して見て下さい。
─── ─ ───
さて、では次回の予告です。
GIMP..というか、デジタル画像の加工をする上で、どうしても1つだけ
理解しておかなければならない事があります。それが「レイヤー」という
物の仕組みや概念だと思います。
今後ここで紹介して行く加工方法やその手順も、先ずこのレイヤー機能の
何たるかが頭に入っていないと、説明されても頭の中が「???」となる
事請け合いでしょう。ですので次回は先ずこのレイヤーとは何かを皆さん
に簡単に説明してから、実際の加工例についてお話しをしたいと思います。
それでは皆さん、良いハニセレライフを。
by moriguchi01
| 2018-06-07 07:25
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